Vol.47
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法務部は、33名。現在は、各グループ会社からの出向社員で構成されている

法務部は、33名。現在は、各グループ会社からの出向社員で構成されている

THE LEGAL DEPARTMENT

#56

株式会社三菱ケミカルホールディングス コーポレートスタッフ 法務部

人と製品の力で国際競争力をアップ!法務の効率化と高度化に新体制で挑む

効率化と高度化を掲げ、法務を刷新

三菱ケミカルホールディングスは2013年、三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンのシェアードスタッフカンパニーとして、スタッフ部門の機能を担う「三菱ケミカルホールディングスコーポレートスタッフ」を新設。同社法務部33名で構成される精鋭部隊を統括するのは、同社取締役で、三菱ケミカルホールディングス執行役員の藤原謙氏だ。藤原氏にその背景と現体制について伺った。

「グループ会社はいずれも事業領域が近く、一本化することで業務の効率化と知見共有による高度化が相乗的に高まるのは自明でした。一社の仕事をとおして得た知見が別会社でも役立つことが多く、機密情報であっても一定ルールの下に共有すれば時間とコストが削減できます。また、ナレッジを蓄積することで、臨床法務ではなく、戦略法務の動きが可能になります。現体制は欧米担当・アジア担当の両国際法務グループ、国内法務グループ、商事法務グループの計4グループ。中でも国際法務は高い専門性を要しますが、相応の能力を有したプロフェッショナルを集約。人数も十分で、ベテランと若手の組み合わせができ、業務面はもちろん人材育成の観点からも、より高度なサービスを提供できるようになりました」

同社は、国内海外問わず、大小様々な規模の企業結合案件(M&A)を取り扱っている。

「独禁法上の企業結合規制クリアランス取得において、届出書などの一貫性を担保するためにも、統合された組織編成は大きな効果があります」

株式会社三菱ケミカルホールディングス コーポレートスタッフ 法務部
法務部は、国際第1(欧米)、国際第2(アジア)、国内、商事法務の4つのチームで構成される。月1回の全体会議と、週1回のチームごとの会議、案件の検討・打ち合わせが情報共有の場だ

特定領域で高度な知識を磨く

〝同社ならでは〞の案件を例に、現体制の効果を藤原氏に尋ねた。

「現在、三菱レイヨンは海外売上高比率が約7割で、MMAでは世界トップ。中東でのジョイントベンチャーや米国での新規投資など、海外案件のウエートが高くなっており、その事業展開を国際法務の2グループがそれぞれ地域ごとにサポートしています。中国では、MMAを対象にしたアンチダンピングが提訴されており、いわば〝守りの法務〞、中東や米国での案件は〝攻めの法務〞と性質は異なりますが、所属会社を越えて地域で担当を分けることで、それぞれの国の法律・事情に精通したメンバーが担当し、若手の育成にもつながります」

また、三菱レイヨンのPAN系炭素繊維と三菱樹脂のピッチ系炭素繊維は、用途的に重なる面が多く相互補完できるため、国際競争力を高める目的でグループ内での事業統合を実施。

「三菱樹脂が事業譲渡を行ったかたちですが、以前なら同じグループとはいえ2社間で契約交渉しなければならないところ、事業価値の最大化を図るということで我々の目的は一つであり、全体最適を考え、大きな利害の対立もなく効率的に契約を進められました。この事業統合はグループ内の話ですが、現法務体制の効果という点で、象徴的なエピソードです」

採用計画については、「今は年齢・キャリアのバランスがちょうどいい。今後は自社で採用・育成できる体制を整えることも考えていきます。また米国、中国、ドイツにも直接出資のシェアードスタッフカンパニーがあるので、各拠点と日本の人材ローテーションも行いたい。国籍を問わず、グループのカルチャーや法務戦略を日本で体験した人が、現地でマネジャー的な役割を担ってくれるのが理想。グローバルなネットワークの中でそのローテーションに叶う即戦力が今後必要になる」そうだ。

「法務は専門家であるがゆえに、経営からも意見を求められるし、もの申すこともできる。経営にかかわるプロジェクトにも早い段階から参加できる。つまり〝経営に近い〞ことが、法務の面白さ。有資格者でなくても別業界でもいい、事業会社でグローバルな法務経験を持つ優秀な人材に、ぜひ当社へ来ていただきたいです」

  • 株式会社三菱ケミカルホールディングス コーポレートスタッフ 法務部
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