株式会社JERA(ジェラ)は、東京電力フュエル&パワーと中部電力を株主に、両社の燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体において、包括的アライアンスを実施する会社として誕生。戦略法務室の多賀谷健司氏に同室の役割を伺った。
「資源価格の変動や規制緩和の影響などで激変するエネルギー業界において、当社は新たなコーポレートカルチャーを構築し、世界で戦えるグローバル・エネルギー企業を目指しています。それをビジネス法務の観点から推進するのが我々の役割です。具体的には、投資・М&A案件、規制や法制度の調査・検討、交渉・意思決定への法的助言など、事業活動全般に深く関与します。戦略法務室の名称は、『従来の法務の枠にとらわれないプロアクティブな部署を目指せ』という経営陣の思いを受けたもの。経営企画本部に属し、各部署と横断的にかかわる、クロスファンクションを体現する部署です」
役員を含む全社を顧客と捉え、「当社のニーズに沿ったリーガル・アドバイスを提供するワンストップショップ」を掲げて、そうした〝顧客向け〞に〝案内パンフ〞をイントラネット上に公開。そこには「プロフェッショナリズム/価値にこだわった行動/戦略的なビジネスパートナー/コミットメントを通じた強化」といったミッションステートメントも示されている。課長の仰木佐和子氏が背景を説明してくれた。
「当室は出身母体や経験など多様なバックグラウンドを持つメンバーの集合体です。皆が同じ方向を向いていくにあたり、〝我々のクライアントは?〞〝外部アドバイザーと我々の違いは?〞〝我々のバリューは?〞などについて、数カ月にわたり何度も議論を重ねました。そしてこの4つのコアバリューを導き出し、ミッションステートメントとしたのです。〝ストラテジックリーガルセクション〞の名のとおり、クリエイティブにゼロからつくっていく面白さがあります」