法務最前線:2018年3月号 Vol.62

法務最前線

アトーニーズマガジン 法務最前線

経営そのものに深くかかわる企業法務部。現場からの相談に瞬時にかつ的確に判断することが求められる組織に必要なファクターとは、その精鋭が弁護士に期待することとは何か?各社の法務部長へ伺いました。

国際競争力あるエネルギー事業実現に向け、
創造的かつ挑戦的な法的支援を行う

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株式会社JERA 戦略法務室

新たなカルチャーの創造に貢献する法務

 株式会社JERA(ジェラ)は、東京電力フュエル&パワーと中部電力を株主に、両社の燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体において、包括的アライアンスを実施する会社として誕生。戦略法務室の多賀谷健司氏に同室の役割を伺った。
「資源価格の変動や規制緩和の影響などで激変するエネルギー業界において、当社は新たなコーポレートカルチャーを構築し、世界で戦えるグローバル・エネルギー企業を目指しています。それをビジネス法務の観点から推進するのが我々の役割です。具体的には、投資・М&A案件、規制や法制度の調査・検討、交渉・意思決定への法的助言など、事業活動全般に深く関与します。戦略法務室の名称は、『従来の法務の枠にとらわれないプロアクティブな部署を目指せ』という経営陣の思いを受けたもの。経営企画本部に属し、各部署と横断的にかかわる、クロスファンクションを体現する部署です」

 役員を含む全社を顧客と捉え、「当社のニーズに沿ったリーガル・アドバイスを提供するワンストップショップ」を掲げて、そうした〝顧客向け〞に〝案内パンフ〞をイントラネット上に公開。そこには「プロフェッショナリズム/価値にこだわった行動/戦略的なビジネスパートナー/コミットメントを通じた強化」といったミッションステートメントも示されている。課長の仰木佐和子氏が背景を説明してくれた。
「当室は出身母体や経験など多様なバックグラウンドを持つメンバーの集合体です。皆が同じ方向を向いていくにあたり、〝我々のクライアントは?〞〝外部アドバイザーと我々の違いは?〞〝我々のバリューは?〞などについて、数カ月にわたり何度も議論を重ねました。そしてこの4つのコアバリューを導き出し、ミッションステートメントとしたのです。〝ストラテジックリーガルセクション〞の名のとおり、クリエイティブにゼロからつくっていく面白さがあります」

自立して働ける企業法務のプロに

 主任の岡田健一氏に、仕事の醍醐味を伺った。
「我々は事業部のメンバーと共に案件に深く関与し、契約交渉の場にも同席します。海外投資案件のクロージング直前であっても、受け入れ難い事項があれば、戦略法務室を代表して厳しい契約交渉を行います。また、交渉相手から不合理な要求を突き付けられたり、コンソーシアムの各出資者の意見の相違に直面したりすることもあります。それを乗り越え、案件が成就した時に、大きなやりがいと達成感を感じます。経験がない新しい分野の業務を任せてもらうことも多く、上長との協議、案件精査、相手方、外部弁護士を含む関係者との協議等を通じ、自身の専門性が向上している実感があります。若手の成長を促進してくれる素晴らしいカルチャーです」

 多賀谷氏は、同室の未来について次のように教えてくれた。
「大切にしているのは、一人ひとりのプロフェッショナリズム、自分で考えて行動を起こす有言実行、スピード重視の〝すぐやる〞姿勢です。インハウスローヤーとして社内の信頼を獲得したメンバーには、年次にかかわらず大きなプロジェクトを任せます。一方、上長は各メンバーを法務の専門家として尊重し、キャリアディベロップメントに配慮することを約束します。今後、事業の発展に伴いビジネス法務の範囲が飛躍的に拡大するでしょう。そうした環境の変化を楽しみ、柔軟かつクリエイティブに仕事を創造していけるメンバーと共に、当社のインハウスローヤーの歴史の1ページ目を拓いていきます」

■企業概要

  • 株式会社JERA
  • 設立 2015年4月30日
  • 資本金 50億円
  • 代表者 代表取締役会長 ヘンドリック・ゴーデンカー
  • 代表取締役社長 垣見祐二
  • 従業員数 293名(連結従業員数661名/2017年7月現在)
  • 所在地 〒103-6014 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー14階
  • URL https://www.jera.co.jp/