Vol.65
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法務部の人員は、18名(うち3名が事務スタッフ)。営業部や事業部など他部署で経験を積み、法務部に異動して活躍する社員も多い。なお4名が日本法および外国法の有資格者

法務部の人員は、18名(うち3名が事務スタッフ)。営業部や事業部など他部署で経験を積み、法務部に異動して活躍する社員も多い。なお4名が日本法および外国法の有資格者

THE LEGAL DEPARTMENT

#86

味の素株式会社 法務部

グローバルかつスピーディな事業展開を支える、“開かれた法務”を目指す

海外展開を法的にマネジメント

味の素株式会社 法務部
食とアミノ酸のリーディングカンパニー、味の素社。グループ全体としては、2018年4月時点で日本を含む35の国・地域で事業を展開している。研究開発要員だけでも1700名以上。国内外合わせて、約4300の特許を保有する

国内外で、食品、ライフサポート、ヘルスケアなど幅広い事業を展開している味の素社。同社法務部の業務分担について、法務部長の加藤浩輝氏に聞いた。

「コーポレート・ガバナンス強化とコンプライアンス推進を担当するチーム、契約・紛争案件の対応を担当するチームと、大きく2つの専門部隊があります。これらを当部の主軸とし、М&Aなどのプロジェクトや将来に向けた課題解決については、必要に応じてタスク・フォースを編成し、柔軟かつスピーディに対応できる体制を敷いています」

ちなみにM&A案件は常時動いているため、実際には兼務が多いそうだ。また、海外法人に法務担当として出向するメンバーも多数いる。フランスに約5年駐在した河路高康氏は、出向中、企業価値27億円超の冷凍食品会社ラベリ・テレトル・スージェレ社(以下、LTS)買収に携わった。欧州での和食ブームを受け、商品力や知名度が高いLTSを製造拠点とし、欧州で市場拡大を図る目的だ。そうしたプロジェクトを引っ張ってきた河路氏に、海外法人で働く醍醐味を聞いた。

味の素株式会社 法務部
2017年、海外法務責任者会議。北米、アセアン、欧州、南米から参加

「フランスの労働法などの勉強、文化や商習慣が異なる現地弁護士との協働は非常に刺激的でした。当然ながら、どのプロジェクトも一人で完遂できるものではありません。社内外のネットワークを活用しながら進める必要がありました。現地法人では特に〝人と人との関係を築くこと〞を心がけ、仕事を円滑に進めていく手がかりにしました。フランスに進出する日本企業の法務担当者を集めた交流会に参加し、そこで知り合った方から解決のヒントをもらったこともあります。外国の法律やルールを理解し、事業との連携を見ながら様々なプロジェクトをリードした経験は、大きな財産になっています」

加藤氏は、法務部のグローバル対応について、こう説明する。

「現在、アセアン(タイ)、北米(アメリカ)、南米(ブラジル)、欧州・アフリカ(フランス)の各地域本部に、法務責任者を置き、アジアと欧州・アフリカは法務部からの出向、北米と南米は現地採用の法務部長が務めています。また、インドネシア、ベトナム、ペルーほか各地域内の主要法人にも法務部を設置。各地域本部の法務責任者がハブとなって、クロスボーダー案件や現地の法的課題解決の支援、新しいグループ方針の浸透促進支援など、相互に連携して業務を遂行します。全世界でリーガルリスクと事業機会をどうマネジメントしていくかが重要な課題です」

味の素株式会社 法務部
4名が法務担当として海外法人に出向中(タイ2名、米国1名、欧州1名)。同部では日本で子育てをしながらオンライン留学制度を利用し、米国ロースクールを修了した社員も

〝ビジネス参謀〞を育成したい

同部で、契約書のレビュー・作成、法律相談、株主総会関連業務、株式業務、法務教育、薬機法関連業務などに携わる森本亜希氏は、SR(シェアホルダーリレーションズ)も担当している。

「〝ファン株主〞を増やすためのSRに当社は力を入れており、工場見学会など株主優待の企画、株主総会事業映像作成などを行っています。広報など他部署とも連携しながら、法務が中心的役割を果たしてきました。その結果、個人株主数が大幅に増加してきたので、今後はさらに全社的な取り組みが必要になっていくと思います」

同部が関与する業務範囲は実に多様であるため、自発的な知識・技術の習得が推奨される。

「働き方改革の一環で、在宅勤務やサテライトオフィスの活用が始まり、生産性を高めながら総労働時間を大幅に削減することに成功しています。できた時間を、社外での交流や法曹資格を目指すなどの自己研鑽に充てる者も多数。私自身、夜間大学院に通うなど外部の方との交流が増え、知り合った方にいろいろ教わっています」と、加藤氏。

最後に、どのような人材を採用したいのか、同氏に聞いた。

「有資格者やロースクール卒業生を含め、新卒・中途にこだわらず、できるだけ多様な〝人財〞を採用していきたい。そして将来的には、法務部門や関連機能部門に限らず、法的専門性と思考力を持って、主体的に会社経営、事業をリードできる人物に育てていきたい。専門性で勝負するだけではなく、法的なことに詳しい〝ビジネスリーダー〞や、〝ビジネス参謀〞を目指せる方と一緒に働きたいと思います」

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    執務スペースと同じフロアにあるリラックススペースは、一息つける場所
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    同社の社員食堂。打ち合わせに利用する社員も多い。食品メーカーならでは、栄養満点の多彩なメニューが自慢!
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    2018年4月、北米地域の法務責任者らを招き工場見学