レノバは、太陽光、バイオマス、風力、地熱などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)による発電施設を開発・運営する日本ではめずらしい〝独立系再エネ事業会社〞だ。2017年2月に東京証券取引所マザーズ市場に上場、1年後の18年2月には最短で市場第一部に上場市場を変更し、急成長を遂げている。同社の法務機能は、法務部とプロジェクト法務部の2つ。法務部部長の杉江亘氏に、各業務について聞いた。
「法務部はコーポレート、コンプライアンスおよび内部統制、訴訟・紛争などの法務業務を担当。プロジェクト法務部は、発電施設の開発・運営の個別プロジェクトに入り込み、契約書の作成・レビュー、法的相談対応、契約交渉などを担当します」
執行役員の福真清彦氏は、「この2つはリーガルバックボーンという一つの視点で括った組織に過ぎません。事業のスピードが速いので、〝案件先にありき〞で必要な人材が部署の垣根なく集結し、〝組織〞はあとからついてくるかたち。法務部という組織名称や組織形態は、5、6年後には多分変わっているでしょう。それが成長中のベンチャーならではの柔軟さであり、当社の風土でもあります」と語る。
同社は経営ビジョンとして「日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなる」を掲げ、海外での開発に積極的に乗り出している。外務省国際法局や外資系企業に勤務してきた白石弘美氏(法務部)は、入社直後から海外案件にも関与し始めた。
「海外案件では、当該案件のために海外事業推進室をはじめとする各部署から集まった社員が、それぞれプロフェッショナルとしてかかわるかたちとなっており、私もその一員として貢献していきたいと考えています。企業の土台づくりや次の世代の育成にかかわれることなど他社では味わえないワクワク感を求めて入社しましたが、海外案件での部門横断的な協働に代表される、柔軟性があって常に変化を求める社風を実感する毎日です」