企業法務系の法律事務所から転職した二人の弁護士に、同社での仕事のやりがいを聞いた。
「私は入社してすぐにヘルスケア事業の合弁企業の立ち上げにかかわりました。いわゆる〝箱〞だけできている状態で、どう責任分担するか、どんな方針でビジネスを進めていくか、個人情報やデータの扱いは……など、具体的な点を先方とひざ詰めで契約交渉しました。技術的な用語や仕組みについては、事業部の担当者にレクチャーしてもらったり、早朝出社するなどして猛勉強。当然、難しい業務ばかりでしたが、未知のビジネスについて知ることができ、また協働できる仲間が増えたことも、自分にとって大きな財産となりました」(上米良大輔氏)
「私はロボット・AIなども扱う制御機器事業・電子部品事業を担当する法務部に所属しています。新サービス・新製品をリリースするにあたり、そこに何らかのリスクが潜んでいないか、源流段階から見られることが面白いですね。ただ新規性が高いため、法律が整備されていない分野の製品を扱うので、私も毎日が猛勉強です」(宮原秀隆氏)
共通して語るのは、〝ビジネスに寄り添うことの面白さ〞だ。
「ビジネスの最初から最後までかかわれること、現場のメンバーと一緒に戦略を考えてビジネスを前に進めていけることが魅力です」(上米良氏・宮原氏)
二人のような国内採用者は、本社所属で事業部門・事業会社の法務へのローテーションにより経験を積む流れができている。これはグローバルで運用するキャリアディベロップメントプログラムに則ったもの。その内容を玉置氏は次のように説明する。
「まず、事業部門などの法務で一定の経験を積み、TOEIC800点など一定の目標を達成できた者は、欧州と米国の法務責任者の面接を受けます。合格すると、GLHと呼んでいるグローバルの会議体のメンバーシップが得られ、海外で短期の語学研修・実地トレーニングへと進みます。その後、他エリアの大学院への留学やエリア本社に赴任する機会が付与されます。その後は、エリア本社の責任者、最終的にグループゼネラル・カウンセルを目指す、いわゆるグローバル法務人材がたどるべきキャリアプランをプログラム化しています」
最後に、玉置氏に求める人材について聞いた。
「オムロンは、事業を通じて社会の発展に貢献することを使命とし、世の中の変化の兆しをいち早く捉え、社会的課題の解決に世に先駆けて挑戦しています。そこで我々は〝進取の精神・高い学習意欲/グローバル志向・グローバルコミュニケーション/互恵の精神/自らの知恵と手で解決していく〞ことを、〝GRLのDNA〞として掲げています。これに共感いただき、自律的に仕事をつくり、時代のニーズに敏感である法務人材と共に働きたいと思います」