企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA(スピーダ)」と、経済情報に特化したソーシャル経済ニュース「NewsPicks(ニューズピックス)」を開発・運営するユーザベース。設立時より「世界一の経済メディアをつくる」ことをビジョンとし、「SPEEDA」をアジア市場最大級の企業・業界情報プラットフォームに押し上げた。今年1月には、上海、香港、シンガポールに続き、スリランカにも拠点を開設。それら海外拠点を含め、全社の法務を統括するのが、リスクマネジメント担当ディレクター・松井しのぶ氏と、リーガルマネージャー・毛利敦子氏の精鋭2名。毛利氏に、業務の特徴について尋ねた。
「業務委託先やデータ提供サプライヤーとの契約書のレビュー(英文契約書は約3割)、利用規約の検討などが恒常的に動いています。主に松井の担当ですが、海外子会社の労働契約内容の整備や現地の弁護士など専門家と協働することも多々です。また〝情報を扱うビジネス〞を行っているので、リスクマネジメントの観点からも情報管理を重視。システムや社内インフラなど全社的なセキュリティ体制強化のため編成された〝情報戦略チーム〞に法務も参加しています」
バックオフィス全体のマネジメントも担当する松井氏が、現在の法務の主な役割を説明する。
「契約・取引法務および情報管理などに加え、力を入れている施策の一つがコンプライアンス体制の充実と、それを守る企業風土の形成。一昨年より内部監査(一部会計監査を含む業務監査)も行い、今年度は海外拠点を含むグループ全社を14チームに分け、より一層のコンプライアンス体制の構築とモニタリングを進めています。当社は近年成長著しく、事業領域が拡大し、社員数も増加の一途。戦略法務も当然重要ですが、予防法務的取り組みが喫緊の課題となっています。そうした状況下、専任は毛利一人なので、活躍を期待される場面が多いのです」