「〝企業法務をやる以上は、穴があってはならない〞というのが、当事務所のポリシー。そのためには総合力が重要ですが、一方で専門性を有しない事務所は依頼者にとって魅力がなく、説得力にも欠けるでしょう」
そこで、個々が特定の分野で研鑽を積み、高い専門性を身につけられるよう、事務所全体で〝穴をなくす〞取り組みを行っている。パートナーを中心に構成された統括委員が事務所のマネジメントを担当しており、ここで起草された「法律部門」という研究・研修部門がその役割を担っている、と平野弁護士。
「M&A、金融商品取引法、会社法、独禁法、労働法、知財、事業再生などの専門科目について、毎月1、2回ほど定期的に実施する研究会を企画・運営します。あくまでも任意参加ですが、所員全員これらいくつかの研究会にまたがって参加しています。各人がそこで得た成果は、毎月の弁護士ミーティングで報告するほか、『虎中通信』というクライアント向け広報媒体で発表。関心あるトピックを各人が取り上げ、法的視点から解説し、自ら原稿を執筆します。研究会は個々の専門能力の向上はもちろん、事務所の取扱業務・分野の多様さを対外的に示すための取り組みでもあります」