「一言で言えば、“依頼者オリエンテッド”。出向・常駐も行い、顧客に深く入り込んで協働作業をします。コミュニケーションを密にすることで戦略法務・予防法務などもできるわけですが、この規模でそこまで行っている事務所は多くないでしょう」
特筆すべきは、1994年、国内法律事務所では初となるタイ・オフィスを設立したことと、中国最大手の「金杜律師事務所」と協力関係を結んでいること。
「ある日本企業の現地撤退に関与した際、900社(現在1100社)もの大手企業がタイに進出しているにもかかわらず、現地に日本人弁護士がいないことを知りました。それでは法的トラブルが生じた際、十分な対処ができない。そこで、顧客にとっての最善を考え、乗り出すことにしました。また、それに先駆けて『環太平洋地域の法曹が交流できる場を』という、創立者・三宅能生弁護士の強い思いが結実したIPBA(環太平洋法曹協会)が発足。これはアジア・太平洋地域の法曹が集い、知見の共有などを行う法曹協会です。金杜との協力関係は、この協会での活動がきっかけ。顧客の要望に全力で応えること、三宅の思いを背景に、アジアでのアウトバウンド・インバウンド業務が増えてきたのです」と、山田弁護士。