私の得意分野は2つあります。一つは自動運転・MaaS関連分野全般です。森・濱田松本法律事務所では、2015年から「ロボットと法研究会」が立ち上がり、研究・対外発信・企業へのアドバイスを本格的に開始。自動運転やMaaS、ドローン、AI分野での知見を蓄積していますが、私も会の立ち上げ間もない頃から参加しています。ちなみに、自動車業界における2015年から2016年頃は、IoTやCASEといった新たな単語が飛び交い始めた時期です。今起きている“大きな流れ”に飛び乗り、新しい分野に携わりたいという動機で研究会に参加したのです。さらには、モビリティ分野の知見を深める目的で、自ら手を挙げ国土交通省で執務。そこでまず私が担当したのは、自動運転について。海外出張も数多くこなしました。現地当局や法律の専門家との意見交換を踏まえて“日本のポジション”をとりまとめ、「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」の事務局、同報告書の作成を担当するとともに、自動運転の安全な導入のための道路運送車両法の改正も担当しました。それ以外にも、不適切完成検査問題でリコール対応を当局側で経験したり、MaaSへの取り組みにも関与しました。自動運転・MaaSといったモビリティサービス全般について、リコールなどの当局対応を含む専門的な助言ができているのは、国土交通省で執務させてもらったおかげです。
もう一つの得意分野は、M&Aです。PEファンドによるカーブアウト、MBO、複雑なクロスボーダー案件などに携わっています。特に、一部の事業部門や子会社をM&Aにより売却するカーブアウトM&Aが増加してきており、今後も増えることが見込まれますが、私も数多く関与しています。最近、日立グローバルライフソリューションズ株式会社が、欧州市場で“白物家電”マーケットシェア第2位を誇るトルコのメーカー・アルチェリクとの間で合弁会社を設立し、合弁会社に海外グループ会社11社を承継した案件にも関与しました。そのような大手企業同士のM&Aのみならず、自動運転・MaaS分野に関連した、タクシー配車アプリ企業の事業統合、大手自動車部品メーカー4社の統合、IoT関連のスタートアップ企業と自動車メーカーやサプライヤーなどを結びつける案件にも数多く携わっています。いわゆる一般的なM&Aの文脈に比べると希少かつ複雑な、モビリティと関連要素を組み合わせた新規事業、価値創出といったM&Aを得意としており、この分野における圧倒的な知識・経験を有しているといえるでしょう。
これまでのこうしたモビリティサービス分野とM&Aでの実績を評価いただいて、2021年10月には、アジアの国々より40歳未満の弁護士が40名選出される企画である「Asia 40 Under 40 2021(Asian Legal Business)」に選出(日系の法律事務所からは2名のみ)いただきました。