フットワークの軽さと、クライアントに一歩踏み込むことが、私自身のこだわりです。ほかの弁護士には出せない答えをクライアントのために、即時に導き出す――それが当事務所のモットー。開業以来、お付き合いいただいているのは、EC市場を牽引するIT企業ばかり。変化の激しい市場ですから、相談されたその瞬間にYES or NOの判断をしなくてはならないというスピード感のなかで仕事をして、鍛えられてきました。即断即決が難しい案件の場合でも、方針だけはその場で決めるようにしています。
私自身が企業法務部の社員だった頃、会社内では“誰にどうネゴっておけば、この案件がスムーズに進むか?”が仕事を前に進めるうえでの重要なカギであることを身をもって経験しています。ですから、クライアントから相談いただいた時は、質問に対する答えのみならず、“マネジメントへの伝え方”や“決裁ルートにいるキーマンへの確認方法”なども、助言や提案をしています。「それはどういうことですか?」「どんな点でお困りですか?」と、一社員になった気持ちで話をうかがい、質問を重ねながら相手に少しずつ踏み込んでいくというわけです。
日々、裁判例、事件例、法律の改正など、新しい情報を目にした時、「あのクライアントでこの問題が起きた時に、どんなことが起こり得るか」「あのクライアントには何が必要なのか」と考えることが、常日頃の習慣となっています。そうして、「あのニュースはご覧になりましたか」「この情報を参考にしてください」「あるネタでツイートが炎上していますが、御社は大丈夫ですか」など、ほぼ毎日、複数のクライアントにコミュニケーションを欠かさず、注意喚起し、改善などの提案を行っています。昨今は、電子メールだけではなく、会話するようにやり取りできるメッセージツールがクライアントとの連絡手段になっており、本当にたくさんの方々と膨大な数のメッセージのやり取りができるようになりました。この密なコミュニケーションが、問題が起きた際にその場限りの対応に終わらないポイント。ほかサービスへの影響、取引先への影響、類似の紛争が起きないための規約変更、そのためには誰に何を伝えるべきか……など、詰め将棋のように二手三手先を見越して対応することができるのです。