弁護士を目指したのは、高校生の頃です。祖父が精密機器を扱う企業の経営者で、苦労話を祖母や母から聞いていたため、祖父のような経営者をサポートするプロフェッショナルになりたいと思ったことがきっかけです。司法修習後は、企業法務に強い森・濱田松本法律事務所に入所しました。
弁護士4年目になった頃から、未来のリーガルサービスの在り方について、同期の角田望弁護士と頻繁に議論するようになりました。同時期に、社会課題を解決するためにテクノロジーを活用した新たなビジネスモデルを生み出す起業家の影響も受け、私と角田は「リーガルイノベーションを起こすことを人生の目標にしよう」と考えるようになりました。
そこで、リーガルテックを日本、ひいては世界に浸透させ、あらゆる“テック”を用いながら次世代のリーガルサービスを生み出すこと、都市部の大企業だけではなく、スタートアップや地方の中小企業まで、すべての企業が高度なリーガルサービスに公平にアクセスできる世界を創ること――これらの実現に向けて、2017年、二人で法律事務所ZeLo(現法律事務所ZeLo・外国法共同事業:以下ZeLo)と、株式会社LegalForce(現株式会社LegalOn Technologies:以下LOT)を設立しました。
ZeLoに所属する専門家は、現在約50名。企業法務に強みを持つ弁護士、外国弁護士、 弁理士、司法書士、行政書士を中心に、公認会計士が在籍するグループファーム「ZeLo FAS株式会社」や「税理士法人ZeLo」とも連携し、契約書審査から先端分野の法務対応、資金関連の問題解決まで、ワンストップでサービスを提供できる体制を構築しています。またLOTでは、「法とテクノロジーの力で、 安心して前進できる社会を創る。」をパーパスに掲げ、企業の法務部や法律事務所を対象にAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」などを提供しています。開発専任の弁護士とエンジニアが協働して研究開発することで、法務の実務に即した質の高い製品を提供しています。現在、LegalForce導入社数は2500社を突破し、昨年シリーズDラウンドで137億円の資金調達を行うなど急成長を続けています。