事務所探訪:2009年7月号 Vol.10

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

※掲載記事の内容は取材当時のものです。

Style of Work

事務所探訪

渥美総合法律事務所・外国法共同事業

組織力強化で、対応する専門分野を幅広く拡張。 国際的にも高い評価を受ける「日本発」の法律事務所

「金融法務に強い渥美総合」と広く認知されているように、渥美総合法律事務所・外国法共同事業は、住宅ローンの証券化を日本で初めて手がけるなど、同分野のリーディングファームとして数多くの実績を持つ。一方、同事務所のここ数年の取り組みを見ると、ファイナンス分野にとどまらず全方位の拡大を志向しているようだ。
「コーポレート、訴訟、事業再生・倒産にも力を入れ全体のバランスをとりつつあります。最近ではコーポレートが伸びており、所内での勉強会も活発化しています」と語る大串淳子弁護士(50期)。
案件の伸びに組織的に対応するため、同事務所ではファイナンス、コーポレート・IP、訴訟・倒産、ファンドの4分野のプラクティス・グループ(以下PG)制を導入し、成果も上がってきている。「PG制を導入したことで、各分野での経験・ノウハウを組織的に蓄積していくことができるようになりました。内部の意見統一も容易になり、クライアントへ『かゆいところに手が届く』リーガルサービスを迅速に提供できるようになります」(大串弁護士)
PG制は若手アソシエイトのスキル養成にも役立っているという。クライアントからの相談内容も複雑化している昨今、PG横断で組織的に経験を積ませられることが実践的な判断力の育成にも有効に働いている。「採用の時点でどのPGに所属していただくかは意識しません。新人や1、2年目の弁護士は幅広く仕事を経験することが基本です」野崎竜一弁護士(53期)
また、外国法共同事業のさきがけであるとともに、外国法事務弁護士をパートナーに迎えた第一号の国内系事務所であることも特徴の一つ。それ故、クロスボーダー案件の取引実績も着実に伸びている。パートナーとして2005年に入所したバニー・L・ディクソン外国法事務弁護士(ニューヨーク州法)はこう語る。「当事務所のように、多国籍な外国法事務弁護士がそろっている日本の事務所は多くはありません。国際的な取引を担当するのはもちろん、海外への積極的なマーケティング活動、留学時の研修先確保など、外国法事務弁護士はパラリーガルや翻訳チェックなどの業務にとどまらず、パートナーとして事務所の経営に参画、運営にも影響力を持っています」
こうした体制は、国内外のクライアントからの信頼を獲得するだけでなく、日本人弁護士にもアドバンテージをもたらしている。「一事務所内で外国側、日本側の両サイドに立った経験ができます。海外のヘッドクオーターを意識して活動する必要もなく、外国人の考え方も身近で感じ理解することができます」野坂卓司弁護士(54期)
現在、総勢83名の弁護士、外国法事務弁護士および外国弁護士を擁し、常に先駆的な取り組みで注目を集める同事務所の今後の展望について聞いてみた。「現在の方針が根付いてきているので、このまま規模を拡大していきたい。ファイナンスを中心に他分野をさらに強化し、国内、クロスボーダー共に幅を広げます。弁護士の数も増やしていく予定です」(大串弁護士)

■プロフィール

  • ●所在地
  • 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-2富国生命ビル(総合受付:12階)
  • 電話03-5501-2111(代表)
  • http://www.apap.gr.jp/index.html
  • ●2005年4月より、日本の法律事務所では初となる外国人パートナーを迎えての外国法共同事業を開始。弁護士・外国法事務弁護士および外国弁護士83名、スタッフを加えた総勢131名の大手渉外法律事務所として、ファイナンス、コーポレートを中心に国内およびクロスボーダー案件を幅広く手がけ、国内はもとより、国際的にも高い評価を受けている。