独占禁止法を業務分野にうたう法律事務所は多くあるが、この分野に精通した事務所というと、小林・藤堂法律特許事務所の名が挙がる。1970年の設立以降、公正取引委員会と対峙(たいじ)する多くの企業や業界団体の駆け込み寺として頼られ、橋梁談合事件等の大規模事件も数多く手掛けてきた。
「法律を熟知するだけでなく、公正取引委員会の実務まで知り尽くし、的確な対応ができる事務所は少ないのではないでしょうか」(岩下弁護士)
同事務所は、知的財産法を専門に事務所を構えていた小林十四雄弁護士(13期)が、研修所で同期の藤堂裕弁護士(13期・故人)へ同氏の公正取引委員会・審判官からの退官を機に声を掛けたことから始まった。藤堂氏は、裁判官から訟務検事を経て公正取引委員会に在籍していた。
「私が26年前に入所したころも独禁法事件にかかわる弁護士はまだまだ少なかった。当時は何も分からないまま藤堂氏に付いて、事件の進め方から、公正取引委員会との交渉術にいたるまで、とにかく実地で仕込まれました」(岩下弁護士)
主要業務は、各界でトップシェアを誇るような企業へのリーガルサービス。5名の弁護士と1名の弁理士が、独占禁止法と知的財産法を二本柱に、国内外からの相談に応える。
「専門分野を少数精鋭で行うブティック型事務所として長くやってきました。所員同士はもとより、われわれとクライアントも顔が見える距離で深い話をしながら仕事ができる。それがクライアントから長いお付き合いをいただける秘訣(ひけつ)かもしれません」と寺上弁護士は語る。
ベテランぞろいの事務所に、この1月から久しぶりの新人、森弁護士(新62期)が入所した。
「パートナーおのおのに得意分野があるので、さまざまな分野の業務をやってもらっています。その中から自分に合った専門分野を選択してほしいね」(寺上弁護士)