「クライアントの多くは1〜2年後の上場を見据えた、従業員100名を超える規模の企業。ただしIPOを間近に控えた企業でも、20〜30名程度の企業も少なくありません。いずれにせよ現状、利益がきちんと出ている企業かオーナー系の企業であり、上場後も安定して株価形成ができる企業であることが多いです。最近では、監査法人や証券会社を通じて、いわゆる直前々期(上場目標年度の2期前)、直前期(1期前)の企業からのご依頼が増えています。そうした企業においては、証券会社や証券取引所に提出する各種書類のリーガルチェックはもちろん、コンプライアンス、情報開示、人事・労務においても法務的な諸問題をクリアしておく必要がある。つまりIPOを目指すクライアントは、組織・業務において横断的な法的支援を必要としているということです」
弁護士9名という少数精鋭の事務所が、専門性の高い分野で大きなシェアが獲れる理由を、大村弁護士は次のように語る。
「何でもできることは、何もできないに等しい。ゆえに常々、メンバーには『3つの柱を持て』と言っています。それは、どの企業にも必要な会社法か労働法、そして自分が興味・関心を持てる法分野および業種分野の3つを定めよということ。ですから当事務所では皆、必ず専門分野を掲げています。例えば由木竜太弁護士は労働法、深町周輔弁護士はIT・知財、美和薫弁護士は不動産という具合。そうした専門分野を持つ弁護士がチームを編成し、クライアントにとって必要な法的支援をワンストップで提供できる体制を整えています。そのチームワークの力をもってIPOに関する実績・経験を積んできたことが、クライアントに評価いただいている理由と考えます」