事務所探訪:2018年1月号 Vol.61

事務所探訪

アトーニーズマガジン 事務所探訪

多種多様な「働く場」としての法律事務所を、読者に代わり、編集部が取材します。事務所の理念・方針・特徴・こだわりや工夫が凝らされた事務所の“日常風景”を分かりやすくお伝えします。

※掲載記事の内容は取材当時のものです。

Style of Work

事務所探訪

東京あおい法律事務所

金融法務のプロフェッショナルが集結する、ブティック型法律事務所

東京あおい法律事務所の設立は2003年5月。設立時のメンバーは、森島庸介弁護士、松野豊弁護士、中村千之弁護士、石原弘隆弁護士ほか3名。森島弁護士に事務所の特徴を伺った。「我々は金融法務を得意としており、メガバンクおよび都銀、証券会社などの金融機関・投資家を主な顧客に、ストラクチャーに関する法的検討、関連契約書の作成・検討、契約締結交渉、法律意見書の作成などの法的サービスを提供しています」
これまでどんな案件に関与し、印象に残っているかを聞いた。「我々が関与し、最高裁に係属した事件が印象深いです。これはクライアントである銀行が発行する金融債を受働債権とし、破綻した証券会社への銀行の貸付債権との相殺についての係争に関し、高等裁判所の判決を覆して金融債の相殺を認める判断が示されたもの。我々が第二審で敗訴した直後に、同種事件で日本興業銀行が最高裁で勝訴したこともあり、勝てると確信し、上告。最高裁で逆転勝訴したという事件でした。また、あるノンバンクのМ&Aを巡る訴訟にも関与。契約交渉がまとまり、ディールも終わり、譲渡代金の調整が始まったところ、価格調整条項について相手方がルールと異なる主張を始めたわけです。約4年間の訴訟となりましたが、最終的には全面勝訴で解決しました。雑誌にも掲載された事件で、これも記憶に残ります」
森島弁護士らは、バブル経済崩壊による金融業界の変遷を目の当たりにしてきた。「多くの金融機関で不良債権が膨らみ、不祥事・倒産が生じ、それによって過去30年以上変わらなかった金融法務の判例までもが変わる――そんな激動の時代を、様々なクライアントと共に歩んできたことは貴重な経験です。実はもともとこの分野に関心があったわけではなく、アソシエイト時代をお世話になった事務所に道筋をつけてもらったようなもの。ですが、いったんかかわり始めると、金融法務は世の中全体に影響を与える分野で、やりがいも興味も尽きません。私自身がリアルに学んできた多くのことを今の若手弁護士にもできるだけ伝え、金融法務の雄となる人材を当事務所から輩出していきたいと思います」
一方、海外企業と事業を行う会社のサポートも多い同事務所。担うのは、商社、ゼネコン、メーカーなどのクライアントを担当する中村千之弁護士だ。海外企業との業務提携、ライセンス契約、日本商事仲裁協会や国際商業会議所の仲裁案件にも関与。「小さなブティック事務所ですが、国際取引や海外との紛争解決などまでできているのは中村弁護士のおかげ。通常は3、4人がかりで行う業務を彼一人で対応し、成果を上げています。銀行出身で海外駐在経験もある河村敦志弁護士も新たに参加してくれたので、国際取引分野のさらなる拡充に期待しています」
こうした事務所の土台を支えるのが、森島弁護士と20年以上共に仕事をしてきた松野豊弁護士。「当事務所の設立以前から節目を共にしてきた、かけがえのないパートナーです」と森島弁護士。
「松野弁護士は、私が弁護士に求めるものを最もよく知る弁護士で、それが事務所の基準となっています。若手弁護士にも同じレベル感を求めますから、彼らにとっては大変ですが、かなり鍛えられる毎日だと思います」 
まさに〝高材疾足〞の森島、松野、中村三弁護士が揃い踏み、事務所を支えているというわけだ。最後に、森島弁護士から、若手弁護士・ロースクール生へのメッセージをいただいた。「弁護士が提供できることは、社会全体で見れば、それほどウェートが大きいわけではないと思います。なくてはならない存在ですが、対象は、金融法務ならビジネスの成功、一般民事なら各依頼者の利益となります。私たちはあくまでも〝手助けする存在〞であることを忘れてはいけません。しかし相手をよく知らなければ、本当の意味での手助けは不可能。ですから法律の知識以上に、世の中と社会の仕組み、ビジネスなどについて学び、依頼者と同じ目線に立てる〝総合力〞を持ってほしい。遊びも含めて、様々な分野の人たちと交流して、自分の世界を広げて、弁護士という仕事に臨んでください。そうした総合力の高い弁護士と共に働きたいですし、そんな人材が『ここで働きたい』と思える、魅力的な事務所づくり、環境づくりを我々も継続していきます」

■プロフィール

  • 所在地/〒104-0061 東京都中央区銀座4-9-8NMF銀座四丁目ビル6階
  • TEL/ 03-3544-7031(代)
  • http://www.aoilaw.jp/
  • 弁護士10名(パートナー4名、アソシエイト6名)、事務スタッフ3名。取扱業務は、金融法務、企業再編・M&A、事業再生・倒産法関連、不動産関連・エネルギー関連、国際取引、会社法務一般、民事訴訟・仲裁・その他のADR手続など。日本ローン債権市場協会(JSLA)の準会員登録、一般社団法人金融財政事情研究会主催の債権管理フォーラム、信託法学会へも参加する。
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