小笠原匡隆弁護士と角田望弁護士が2017年に設立した、企業法務を中心に取り扱う法律事務所ZeLоは、創業理念に「From Zero to Legal Innovation――リーガルサービスの変革」を掲げる。その実現に向けて、両弁護士はリーガルテック分野のプロダクト開発を行う株式会社Leagal Force(以下LF)を併せて創業。この挑戦の背景にある想いを、小笠原弁護士に伺った。
「弁護士業界は、他業種では考えられないような旧態依然とした慣習がいまだ色濃く残っています。例えば裁判所への書面の提出はファクスか郵送ですし、クライアントとのやりとりは主に面会か電話。また、業務は労働集約型で、個々の弁護士が持つ優れたノウハウや経験は属人的。それがクライアントに公平にシェアされていないと感じていました。そうした従来の弁護士の仕事の進め方、在り方を変革したい、最先端のテクノロジーを駆使して挑みたい――そう考えて独立しました」
つまりZeLoでは、LFのテクノロジーを活用した法律サービスを提供していくことを、主眼の一つとしている。
「まずは、契約書レビューや法律相談などについて、クライアントと弁護士とのコミュニケーションをクラウド上で完結させるサービスの提供を始めます。具体的には、我々が法律の実務家として仕事をするなかで〝不便〞と感じていた点を払拭し、クライアントにとってよりリーガルにアクセスしやすい環境を整えたサービスです。β版を一定のクライアントに対してクローズドで公開し、その反応を収集しながら改良を進めていきます」(角田弁護士)