クライアントばかりではなく、先述のとおり弁護士仲間からも慕われる山下弁護士。独立を知り、「待ってました!」とばかりに入所してきた弁護士も。「独立から3年は一人で頑張ろう」と考えていた山下弁護士だが、設立2年目から弁護士が増え始め、気付けば現在の陣容6名。
「一人でTOBに奮闘していた頃は、これほど仲間が増えるとは想像もできませんでした」と笑う。
そもそも山下弁護士が独立したのは、「若手弁護士に活躍の機会を提供し、彼らが自由にのびのびと働ける環境をつくりたい」という思いがあったから。
「私は『天賦はそれぞれ違うもの』という信念を持っています。ですからそれを伸ばす助けになりたい。細かい法律に強い人がいる、紛争に強い人がいる――いろんな若い弁護士が集い、のびのび仕事ができる。そんな〝場〞をつくりたくて独立しました」
アソシエイトであっても、クライアントとの打ち合わせなどで、積極的にフロントに立つ。
「成功も失敗も肌で感じられることが、彼らの糧になります。最初は若手が担当することに驚かれるクライアントもいますが、その場で徹底的に考え、徹底的に相手の立場に立つ姿勢を見れば、『山下総合はクライアントファーストの精神が行き届いている』と気付いてくださいます」
そうして仕事を任された弁護士の成長は早い。ただ放任ではなく、きちんとそれぞれの仕事に目配りもするのが山下流。
「基本的に『報告をし、相談さえ欠かさなければ、自由に』というスタンスです。私の一挙手一投足を気にする弁護士は要りません。私のために働く事務所ではなく、自分と事務所のために働く意識でいてほしい。〝内側〞に気をとられず、クライアントに全力を集中し、一人前になっていってほしい。そして一つひとつ任せて、任せたことには報い、正しく評価することを心がけています」
「この仕事は、結局は人」と言い切る山下弁護士。
「クライアント社会、所員、当事務所にかかわる方々すべてにとって、かけがえのない事務所になりたい。我々の存在意義は、法律という道具を使って問題解決を図ること。少々口はばったいですが、平和をつくるため、と私は思います。例えば勝ち目のない裁判でも、その方々が納得できる道筋をつくれるかが大事。弁護士の仕事の相手は〝人の心〞です。当事務所にかかわる方々の心が最終的に平穏を得られるよう、その方の〝荷物〞を肩代わりしたり、下ろして差し上げたりしながら、リーガルサポートを進めていきたい。そうして、この事務所の影響力、存在価値をより広げていきたいです」