Vol.72
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「交通事故、離婚問題といった一般的な案件から、企業に関する専門的な知識・経験を要する案件まで、幅広く取り扱う“総合病院”のような法律事務所です」(亀岡弁護士)

「交通事故、離婚問題といった一般的な案件から、企業に関する専門的な知識・経験を要する案件まで、幅広く取り扱う“総合病院”のような法律事務所です」(亀岡弁護士)

STYLE OF WORK

#135

弁護士法人ほたか総合法律事務所

宇都宮市で専門性の高い法的サービスを提供。企業法務はもとより企業の体制整備までサポート

地方都市のリーガルパワーを高める

栃木県宇都宮市の市街地に拠点を構える弁護士法人ほたか総合法律事務所。設立は2010年、亀岡弘敬弁護士が代表を務めている。亀岡弁護士は東京都内の総合法律事務所に3年間勤務し、各種金融機関などの企業法務、および交通事故・過払い金、破産などの一般民事・刑事事件を幅広く経験したのち、故郷の宇都宮市で独立を果たした。亀岡弁護士に事務所の理念をうかがった。

「東京で企業法務を中心に業務を行っていましたが、地方での法務サービスの必要性の高まりを常に感じていました。独立志向もあったので、“日本のどこであっても専門性の高い法務サービスを提供できる事務所を”と思い、この地に当事務所を設立しました。

実際にお客さまと接するなかで、実感することがあります。そもそも地方では、特に個人のお客さまは、弁護士に接したり仕事を依頼したりする機会が少なく、弁護士の仕事の良し悪しを判断する情報を持っている方が少ないということです。当然ですが、弁護士の過疎・偏在により、リーガルアクセスが弱いという事情もあるでしょう。しかし、そのような環境下だからこそ、お客さまが求める以上のパフォーマンスをきちんと出し、お客さまが納得のいくサービスを提供する――これが当事務所の設立理由であり、ぶれてはならない理念でもあるのです」

  • 弁護士法人ほたか総合法律事務所
    弁護士4名、事務局6名の布陣。72期の髙橋弁護士が入所し、事務スタッフが増えたこともあり、弁護士・事務局それぞれで、円滑な事務所運営のための会議を定期開催している
  • 弁護士法人ほたか総合法律事務所
    同事務所は宇都宮市の中心市街地にあり、裁判所や栃木県弁護士会にも近い。所内には社会保険労務士も席を置き、連携して地元企業の法的サポートにあたる

地元経営者の頼りになる存在として

同事務所の業務割合は、大手損害保険会社側の交通事故対応が多くを占め、顧問を含む中小企業の企業法務、行政・自治体法務、ほかに顧客の紹介による一般民事・刑事事件などとなっている。

なお顧問先としては、各種金融機関、学校法人、建設企業、派遣企業などで、宇都宮市を本拠地とする企業・機関が多くを占めている。先述のとおり、顧客自身が弁護士の良し悪しを容易に判断する情報をもっていない状況で、例えば交通事故対応ではどのような点に留意しているのか。

「当事務所の主要なお客さまに交通事故の当事者の方がいらっしゃいますが、当事者の方に対し、事件解決の見通しのみならず、損害賠償保険の利用の仕方も含め、 “メリット・デメリット・リスクをわかりやすく説明し、選択肢を提示すること”が重要なポイントとなります。時に、『勝ち目はない』という“見立て”も、率直に伝えます。もちろん“見立て”と“結果”に大きな差を生じさせないことがプロとしての腕の見せどころですが、まずは誠心誠意・誠実にわかりやすく、という姿勢を大切にしています」

顧問先は、宇都宮市を基盤とする中小企業が多い。社内に法務部門を持つ顧客企業は少なく、経営者と直接やりとりすることが多いという。

「中小企業において、企業の経営判断、意思決定に直接かかわれることは、やはり醍醐味です。企業の未来、経営者の悩みに至るまで腹を割って話し、信頼関係を深める。お客さまと熱く議論することもよくあります。宇都宮市における法律事務所の選択肢は、都心部に比べると少ないこともあり、一度ご縁ができたお客さまとは長くお付き合いすることになりますね」

そうした中小企業から寄せられる相談には、一定の傾向があるそうだ。契約書においても、「元請けから出された契約書に不利な条項があったのに、よくわからないままサインした」「従業員の雇用契約に必要な条項を入れていなかった」など、基本的な法的対応が不十分であるために経営者が窮地に立たされるというケースが多い。

「例えば就業規則の必要性、36協定、個人情報保護法についての知識など、会社に関係する法律の基礎を十分に把握していない企業が少なくないように思います。中小企業の方に、企業経営に必要な法律知識を周知し、徹底していただくための、“中小企業向け法務サービスパッケージ”のような仕組みを当事務所独自でつくり、提供していきたいと考えています。つまり、どんな企業にとっても必要である法的サービスを、手軽に理解しやすい形で提供し、中小企業のリーガルパワーを一律に強化する。そのうえで、当該企業特有の法的問題への対処、事業発展に必要なアドバイスを行える法律事務所――そうした存在になっていきたいのです。

また、債権回収やクレーム対応など、中小企業に必要であろう法的分野はある程度決まっているので、そうした分野に向けたサービスパッケージもゆくゆくは増やしていけたら。中小企業のお客さまが企業経営を不安なく続けるうえで、知るべき法律・法分野について、少しずつでも啓蒙していけたらいいですね」

弁護士法人ほたか総合法律事務所
書棚には、きちんとファイリングした弁護士向け教材が並ぶ。交通事故後遺症に関する医学の基礎知識、事業承継ノウハウなど、実務に即したテーマの教材が揃えられ、若手弁護士はそれを自由に活用しながら、自主的に学ぶ

多様な案件に対峙し、基礎力を磨く

弁護士法人ほたか総合法律事務所
亀岡弘敬弁護士(59期)

同事務所でもう一つ特徴的なのは、亀岡弁護士が民事介入暴力対応に取り組んできた弁護士だということ。同弁護士は、第一東京弁護士会所属時は民事介入暴力対策委員会に所属し、栃木県弁護士会に登録換えをした後も、栃木県弁護士会民事介入暴力対策委員長や市町村の不当要求対応顧問などを務めている。

「不当な要求に対して毅然と対応すること、一歩踏み出す勇気を持つことを経営者にアドバイスしています。そのようにして、私たちが不当要求対応を行い、二度と相手がかかわってこないよう遮断したことで、感謝してもらえるのはうれしいですね。なお、これまで十数年弁護士をしてきて、不当要求対応後、お客さまも私も報復されたことは一度もありません。その事実をお伝えすることで、お客さまも勇気を出され、頼りにしていただいています」

このように、弁護士としての専門性を生かしながら地方で独立し、社会貢献の一端も担い続ける亀岡弁護士。その人柄を慕い、昨年2名の若手弁護士が入所してきた。一人は、68期の渡邉拓也弁護士、もう一人は、72期の新人・髙橋純弁護士だ。

「彼らが入所してきたこともあり、事務所事件を一覧化して、タスク管理を連携させるシステムを構築するなど、所内の業務効率化を図っている最中です。仕事の進め方は、事務所で受けた事件をそれぞれに割り当て、私と一緒に進めて仕事を覚えてもらうかたち。特に髙橋弁護士はまだ1年目なので、とにかくなんでも“調べること”から始めてもらっています。例えば、『なぜ最初に“訴状”と書くのか』『訴状にファクス番号を書く理由は』といったことまで。要は、文章にすること一言一句、自分個人の考えではなく、すべて裏取りして書くという習慣を身に付けてもらいたいという思いから。そのように何でも調べて……というのは、髙橋弁護士にとっては大変かもしれませんが(笑)」

「近年、保険分野では、労災や介護施設での事故などを保障する、企業賠償保険に関する相談が増加中です。直近では民法改正、同一労働同一賃金に関する相談なども多いですね。そのように多様な相談・案件・事件にかかわれることも、この事務所ならでは。現在、業務効率化、事務所体制づくりの最中でもあるので、よりお客さまから求められる法律事務所になれるよう、積極的に意見を出していきたい」と語る、渡邉・髙橋両弁護士だ。

最後に、宇都宮という地域で事務所運営する魅力を、亀岡弁護士にうかがった。

「経営者、担当者と非常に近い距離で仕事ができるというのが一番でしょうか。あとは、宇都宮という場所が、“都会すぎず、田舎すぎず”なので、暮らしやすいということもあります。子育てを含め、家庭も大事にしたいという弁護士には合っている場所だと思います。金商法や最先端の会社法などの知識を存分に使う機会は、都心部の法律事務所に比べると少ないかもしれませんが、企業経営を法的側面において、一からサポートできる――そこに面白みを感じられる弁護士には、向いている環境だと思います」

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

 

Editor's Focus!

亀岡弁護士は、第一東京弁護士会時代、および栃木県弁護士会の、民事介入暴力対策委員会に所属。民暴案件に取り組み、暴力団排除功労で多数表彰されている。「身分を隠して相談にくる暴力団員を退ける意図で、あえて飾っています」(亀岡弁護士)

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