先進的なリーガルサービスに取り組む一方、従来型の業務でも多くの実績を上げている。例えば、М&A・組織再編への対応もその一つだ。
「クライアントの日本企業が米国の競合企業を、チャプター11の手続の中で買収する案件に関与しました。その際は米国の倒産専門弁護士だけでなく、EYの、日米のリストラクチャリングアドバイザリーのチームメンバーらと協働。チャプター11の中で日本企業が“ビジネスをまるごと買収する”というМ&Aは、本件が初であったといわれています。逆に、クライアントである米国企業が日本企業を買収する案件もあり、これも日米の財務、税務、ITチームなどと組んで対応しています。いずれにしてもEYというネットワークのもと、国を超えてチームを組成し、ワンストップでサービスを提供できるという、私たちの強みが表れた関与例だと思います」
最近は、企業の経営環境の悪化に伴い、ノンコア事業のカーブアウトの相談も増えているという。その際にはアドバイザリーチームと共に立案段階から関与する。一方、税務紛争では、税務調査の始まる初期段階から関与できるという点も、EYならではだ。
「国際案件を多く経験したい」という思いでEYに転職してきた杉浦宏輝弁護士、竹原昌利弁護士、西尾暢之弁護士、3名のマネージャー(アソシエイト)にやりがいを伺った。
「まずグローバルネットワークの強さ、それに伴う案件規模の大きさがあり、インバウンド・アウトバウンドをバランスよく扱えているという実感があります。公認会計士や税理士など、EYのメンバーファームのプロフェッショナルと協働する機会も多いので、彼らがどういう視点で物事を判断し、行動するかを間近で勉強できることも非常に得難い経験となっています」(杉浦弁護士)
「加えて、私は業務の範囲の広さ・多様性を実感します。例えばIоTや再生エネルギーなど、先進的な分野についての案件も多い。そうした分野では先例がなく、法律が追いつかないケースもありますが、EY内のアドバイザリー専門チームが当該分野に関して最新かつ深い知識を有しているので、彼らと協働して知識を共有させてもらい、時には一緒に悩みながら、“型にはまらない調査・分析、思考”を元に法的アドバイスを行っています。私自身は、そこに大きなやりがいがあると感じています」(西尾弁護士)
竹原弁護士は東京国税局で、国際調査審理官も務めた人物。
「前職では、多くの国際事案・大型事案に携わりました。その経験を生かしつつ、税務を自身の得意分野にしていきたいということを、参画当初からパートナーに伝えてきました。実際、EY内のタックスチームとは独立性を保ちながら互いに協力する機会が多く、国税局時代とは逆の立場から、彼らの考え方を学び、知識の共有を行わせてもらっています。タックスチームをはじめ、ほかのプロフェッショナルチームとの“壁”がなく、気軽に声をかけ合える、非常に良い関係性の中で仕事ができる。なおかつ自分自身のやりたい分野にまい進できていることに喜びを感じます」(竹原弁護士)