Vol.79
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北浜法律事務所の弁護士などの人数は、総勢92名(2021年11月末時点)。うち、東京事務所には34名が所属する(外国法事務弁護士・中国律師を含む)

北浜法律事務所の弁護士などの人数は、総勢92名(2021年11月末時点)。うち、東京事務所には34名が所属する(外国法事務弁護士・中国律師を含む)

STYLE OF WORK

#154

弁護士法人北浜法律事務所 東京事務所

北浜法律事務所の“エンジン”として成長と発展を支え、挑戦し続ける

“北浜”の所内ベンチャーとして

大阪四大法律事務所の一角を占める弁護士法人北浜法律事務所。その東京事務所の開設は2003年。新市場開拓を命題に、所内ベンチャーとしてスタートした。そのミッションを、荒川雄二郎弁護士にうかがった。

「北浜法律事務所の先頭に立ち、事務所全体の成長・発展の強力なエンジンとなることです。従来の考え方や枠組みにとらわれることなく、北浜法律事務所を“まったく新しい事務所”につくり変える気概で、新たな取り組みに積極的にチャレンジすることを求められています。開設から19年ですが、今でも“ベンチャー気質”であることに変わりはありません」

弁護士法人北浜法律事務所 東京事務所
東京事務所の執務スペース。大阪同様、パーティションは低く設置され、弁護士やスタッフ間のコミュニケーションを重視したレイアウトだ

主な取り扱い分野は、コーポレート・M&Aと、広い意味での紛争解決。なかでも、国際的な要素が含まれる案件に強みがある。

「クロスボーダーのM&Aについては、特に日本企業をクライアントとする海外企業の買収案件(アウトバウンド)を中心に多数の取り扱いがあります。これは10~20年前から外国人弁護士の採用、語学教育、留学・海外研修・出向の推進、海外の法律事務所とのネットワーク構築などを積極的に推進してきた結果。近時、増加傾向なのはクロスボーダーや上場企業のM&Aのほか、不正調査・コンプライアンス分野、競争法分野、個人情報・データ保護分野などです」

クライアントは上場企業、未上場の中堅中小企業、成長ステージでは老舗企業からベンチャー企業までと幅広い。東京事務所の弁護士に、それぞれの得意分野をうかがった。まずは、酒井大輔弁護士。

「私はクロスボーダーのM&Aです。これまで、日本企業の海外進出案件や買収案件などを多数手がけてきました。対象国は、インド、フランス、イスラエル、インドネシア、米国など多岐にわたります」

本誌14~15ページで先述したとおり、北浜法律事務所には若手弁護士の意欲・要望を応援する風土がある。「インドで学びたい」と手を上げ、アソシエイト時代にデリーの監査法人で研修を経験した所内初の人物が、酒井弁護士だ。

「インドに注目する弁護士がほぼいなかった当時、ほかの弁護士と違う能力を身につけたい、何かチャンスをつかみとりたいと思い、学生時代に旅行したインドに目をつけて研修先を探しました。当事務所の“本人の意思を尊重する”という気風のおかげで実現した海外研修です。帰国後はインドの案件を相当数依頼いただいており、所内でインドと周辺国のプラクティス・チームも立ち上げました」

また、江鳩孝二弁護士も同様にM&Aが得意分野である。

「なかでも上場企業のM&Aや非上場化の手続き(MBO)に強みがあります。19年に経済産業省が公表したいわゆる“新M&A指針”では、MBOに加えて新たに上場子会社を完全子会社化するような従属会社の買収案件(親子上場解消案件)を行う際にも同指針に基づく対応を求めています。その際に、どのような経営課題を抱え、それを解消するためになぜ非上場化が必要かということを突っ込んで聞きます。ビジネスの実態に照らして、どのように手続きを進めていくか、いかにして実効的なアドバイスをクライアントに行うかなどは、弁護士としての腕の見せ所。“紙の上で勉強してきたこと”が、リアルな世界に深くリンクしていくことの面白さを体感できる、やりがいのある分野です」

弁護士法人北浜法律事務所 東京事務所
当日インタビューに応じてくださった弁護士。写真右から、荒川雄二郎弁護士(52期)、酒井大輔弁護士(56期)、藤田俊輔弁護士(66期)、江鳩孝二弁護士(59期)

自ら動く者に機会が与えられる

同事務所のアソシエイトは、そのように異なる得意分野を持つパートナーと協働し、その指導を受けることで、事務所の幅広い取り扱い業務をひととおり経験できる。藤田俊輔弁護士に、仕事についてうかがった。

「最近は江鳩弁護士のもとで、上場・非上場問わずM&Aを中心に取り組んでいます。ただ、入所してすぐの頃、荒川弁護士のもとで日本と外国の遺産分割手続が同時並行で進行する国際的な遺産分割事件をアサインいただきました。企業法務を中心とする当事務所ではレアな案件ですが、元々、訴訟に興味があり、民事も刑事も家事事件もやってみたいと思っていたので、家事事件だけれど国際案件という、やりがいある、よい経験をさせてもらえました。そうした案件の幅の広さは、当事務所ならではだと思います」

江鳩弁護士はキャリアステップのイメージを次のように説明する。

「入所から1~2年目は、顧問業務や紛争対応業務が中心になりますが、タイミングを見て、M&Aの案件チームに入ってもらうという流れがあります。その後、目安として5年目以降あたりから、自身の興味分野にエネルギーを注ぐ弁護士が出てきます。事務所としては、ひととおりの業務を経験してきたこの時期に、本人の希望を確認しながら将来的なキャリアの方向性を一緒に検討していきます。出向や留学・研修などの具体的な計画も、この頃から本格的に検討する弁護士が多いように感じます」

同事務所CEO・森本宏弁護士の人づくりの方針と、自由闊達、型にはめない風土により、自らのキャリア形成の実現を支援していることが特徴。酒井弁護士は言う。

「15年に、所内のチャイナプラクティス・チーム(CPT)が立ち上がりました。これは、事務所の中国の案件に対応するチームをつくろうという考えに、当事務所の若手パートナーである日野真太郎弁護士ら数名のアソシエイト(当時)が、『きちんと中国法務をやっていきたい』と呼応して実現したものです。中国の案件は、中国語ができなければ対応が困難なものが多いのですが、CPT立ち上げ当時は、中国語が堪能なパートナーがいなかったため、北京の帰国子女で中国語が堪能な日野真太郎弁護士や中国律師などアソシエイトが実働の中心を担うチームとなりました。当事務所の森本弁護士は“平等に”“若い世代の意見をどんどん取り入れる”ことを重視しますが、その一例がCPTです」

「こんなことに挑戦してみたいという弁護士には、非常にやりがいのある職場でしょう。提案して、事務所として確かに有益であると認められたことは、そのまま実現できる可能性が高いことが、当事務所のよさです」(荒川弁護士)

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東京事務所代表社員は、荒川雄二郎弁護士(52期/写真左)、吉田広明弁護士(52期/写真右)、省庁などでの行政経験豊富な岡田康彦弁護士(写真中央)の3名

型にはまらずたゆまぬ挑戦を

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部活動も盛んだ。「ワインマラソン2018」参加時は、揃いのTシャツを用意

案件も事務所運営も、東京・大阪で分けることなく、一つの事務所として取り組み、運営する。大阪のパートナーの案件を東京のアソシエイトが、東京のパートナーの案件を大阪のアソシエイトが担当することが日常的に行われている。各プラクティス・チームのメンバーは、拠点を超えて参加する。当然、事務所運営においても、一体的かつ横断的に取り組んでいるそうだ。あらためて、クライアントにとっての同事務所の利便性について、荒川弁護士にうかがった。

「私たちは、特定の産業分野・業種のクライアントや特定の取り扱い分野に絞っていないという意味で、ブティック事務所ではなく、総合法律事務所を標榜しています。しかし、総合法律事務所を標榜しつつ、実は経費共同による個人事務所の集まりという形態の事務所もありますし、数百名の弁護士を擁して部門制を取っている事務所もあります。当事務所は、収支共同でありながら部門制にはしていないので、案件に応じて事務所全体のリソースを組み合わせ、総合的なサービスをクライアントに提供することができます。その点が、私たちの独自性だと思います」

今後、事務所をどのように発展させていきたいと考えているのか。

「東京事務所のパートナーは、一人ひとりが弁護士として相当な高いクオリティを有していると、自負しています。そのパートナーに日々鍛えられているアソシエイトも、同様の力量を蓄えていきます。このリソースを最大限活用できるように、型にはまらず自由闊達に、新たな分野に積極的に挑み続け、規模的にも質的にも、大いに成長していきたいと考えます」(荒川弁護士)

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

Editor's Focus!

2019年の夏から定期的に、クライアント向けの情報誌『KITAHAMA+Plus』を発行。時流を捉えたテーマで、各弁護士×得意分野にフォーカスした内容を掲載する。各弁護士の“顔・力量”が見えて、身近で頼れる存在であることを、クライアントに感じてもらえるきっかけになっているようだ

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