弁護士法人ANSWERZ(アンサーズ)は、札幌と東京の2拠点で、M&Aとファイナンス分野を中心としたリーガルサービスを提供してい。2014年、荒木俊和弁護士が、前身となる事務所を札幌で設立し、23年に弁護士法人化。そのタイミングで、門松優介弁護士がパートナーとして参画。二人は森・濱田松本法律事務所出身で、荒木弁護士は、不動産系のストラクチャードファイナンスやREIT業務、二酸化炭素排出量取引制度設立などに関与。門松弁護士は、同事務所で経験を積んだのち、複数の投資銀行でIPOなどの資本市場案件やM&Aに数多く携わった。両弁護士の専門性を融合し、難易度の高い案件に対応できることが事務所の特徴だ。
荒木弁護士に、これまで関与してきた案件についてうかがった。
「全国的に知られたBtoCアプリを提供する大手企業のM&Aに関与しました。取引規模は約100億円で、四大法律事務所が対応するような案件です。案件規模からすれば、弁護士2名体制は心もとなく、依頼者にとって勇気のいる選択だったのではないかと想像します。我々もまったく不安がなかったわけではありませんが、『引き受けた以上はやり切ろう』と。結局、法務デューディリジェンスや株式譲渡契約を中心とした各種契約書のドラフト・レビューなど一連の業務をやり切り、スケジュールどおりにクロージングまでもっていきました。こうしたやや〝向こうみず〟な挑戦を門松弁護士と重ねてきましたが、そのかいあって、事務所の土台をしっかり固めることができました」
法人化して以降、高度な依頼や相談が相次ぎ、業務処理が追い付かない状況となった。
「私自身、札幌でM&A市場の開拓に力を尽くしてきたつもりですが、門松弁護士の参画で、実績とノウハウの蓄積が一気に進みました。今、自信を持って『事務所の専門分野はM&Aとファイナンス』と言えるまでになりました。彼は投資銀行3行を渡り歩いた経験から、ビジネス実務に知見があり、ファンドマネジャーやスタートアップ企業のなどとの関係も深い。そうした方々から信頼され、継続的にお声がけをいただけるのは、本当にありがたいことです」
今年(25年)、国際的視点を有し、〝ビジネスと人権〟分野にも精通する小林美奈弁護士がオブカウンセルとして参画した。
「小林弁護士は、第三者委員会やハラスメント調査などの案件の経験が豊富です。これらは中立的な立場から事実を明らかにするもので、依頼者にとって耳の痛い指摘を行わねばならない場面もありますが、最終的にはクライアントの利益につながる重要な業務。こうした案件を、当事務所の新しい軸の一つにしていきたいと考えています」