――今後の目標を中心に、専務理事から一言ずつお願いします。
【牧山】ELNは毎年、東京国際映画祭で無料法律相談のブースを出しており、私はその責任者を務めています。相談を受けていて感じるのは、日本発のコンテンツを、アジアを中心とする国際展開に結実させていくことの重要性。我々もそうした取り組みに積極的にかかわり、頼りにされる存在でありたいですね。
【三尾】アベノミクスの成長戦略として、クールジャパン戦略の強化がうたわれ、放送コンテンツの海外展開などに必要な資金は、国が支援するべく予算計上もされています。いまや、我が国のコンテンツが海外へ打って出る基盤は整いつつあると感じます。キーワードは〝海外展開〞であり、海外企業との契約交渉などに弁護士の出番も多くなります。我々としても、常に最先端の状況を把握しつつ、いざという時に直ちにコンテンツ制作者やコンテンツ関連業界などをサポートできるように、十分な準備を整えておくことが使命だと思っています。
【横山】〝エンタメロー〞がわかる弁護士、企業法務を増やしていく、というELNの元々の目的を達成するために、さらに力を尽くしたいですね。カギになる情報発信についても、どんなやり方があるのか、今後も研究していきたいと考えています。
――最後に理事長からメッセージを。
【久保利】プロデューサーが弁護士でない国は、実は日本だけ。クリエーターを経験した人が弁護士になって、初めてハリウッドの弁護士たちと対等に渡り合えるし、そうした時代がもうすぐくるでしょう。状況的に今は〝踊り場〞で、だからこそチャンスでもある。「もう弁護士では食えない」などというけれど、エンタメの世界に通じていて、知財法を理解し、語学力がある弁護士は、世界中どこに行っても通用します。法律家を目指す若い人たちに、ぜひこの世界に飛び込んできてほしいですね。