「法務担当のメンバーは2名で、うち1人が弁護士資格を持っています。有資格者を採用したのは、事業スピードに対応するため。取引に関する契約など種類・量ともに膨大です。現場の意見をくみ上げてドキュメントを速やかに作成するためにインハウスロイヤーが必要だと判断しました。弁護士資格を持つ並木麻倫子が主に契約書関連業務を担当し、小池元彦が製品利用規約作成、個人情報管理、内部統制支援などの業務を担っています。そのほか、株主総会や取締役会の対応、コンプライアンスなどの社員教育も法務担当の仕事です」
弁護士から見た同社の魅力を、インハウスの道を選んだ並木麻倫子さんに伺った。
「最初の職場選択では、企業か法律事務所か迷った結果、訴訟をやりたいと法律事務所へ入所。約2年半の勤務で企業法務と一般民事をバランスよく経験しました。その後これからの生き方や仕事について自分なりに考え、企業法務への興味が高まって転職。海外進出がスタートした当社にダイナミズムを感じ、英語を使う業務への関心も掻き立てられました」
担当業務についてこう語る。
「約90%の仕事が契約書まわりです。そのほか特許出願や商標の管理、取締役会の議事録作成も担当しています。契約業務は顧客からの要望に対応して個別スキームを要求されることが多いのが特徴。一件、一件別物といえる書類を作成しています」
同社ならではの契約について、部長が補足説明してくれた。
「特許・商標出願、侵害対策など知財関連も多く、なかには提携契約もあります。例えば、製品精度をより向上させるため、様々な技術の提案を受けますが、そうした提携ごとに関連する契約があるのです」