Vol.31
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一気に多角化したビジネスで生じる法律問題に、的確な解を与えるインハウスロイヤーの面々(中央は二宮室長)

一気に多角化したビジネスで生じる法律問題に、的確な解を与えるインハウスロイヤーの面々(中央は二宮室長)

THE LEGAL DEPARTMENT

#34

株式会社LIXIL 法務部

法的リスク防止に加え、“知財”侵害防御、コンプライアンス遵守の企業風土確立で“5社統合”を法律面から支える

統合会社ならではの苦労も

同社はトステム、INAX、新日軽、東洋エクステリア、それにサンウエーブ工業が2011年4月に統合して誕生した。窓、玄関ドア、エクステリアから内装建材、タイル、キッチンやバスルーム、トイレなどの水まわり設備まで、家一棟分の商材を揃える〝総合住生活企業〞だ。

現在法務部は、契約書の事前審査や法律相談を担当する法務室19名、知的財産管理室33名、コンプライアンス推進室4名、計56名の陣容だ。二宮圭二法務部法務室室長は、「事前審査をしっかり行い法的リスクを未然に防ぐのは当然、知的財産権の権利化を推進し侵害を防ぐことや、法令・社会規範・社内規定などを遵守する企業風土の確立も重要なテーマです」と、法務部のミッションを説明している。

「その具体化に向けて、法務室では、契約書をすべて事前に審査し、違法・不利益契約の排除、低減を進め、また、社内弁護士による法律相談の充実を図っています。今後、法務部では社内教育に力を入れ、法的リスクに対する社員の意識向上を進めていく予定です」

そう強調する裏には、統合からまだ日が浅く、「グローバルリーダーを目指す当社にとって、ベストプラクティスは法務分野では何か?LIXIL VALUEを達成するには、どうすべきか?」と、旧5社の文化、仕事の進め方にとらわれず、統合直後から新しい企業風土づくりに苦労した経緯があるようだ。

「例えば、法的リスクに対する考え方にバラツキがあり、改善すべき点が残っている」との危機感もあると言う。

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    明るい陽光が差し込む開放的なフロア。打ち合わせスペースには、多忙な間を縫ってメンバーが集まる
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弁護士の採用を加速

株式会社LIXIL 法務部
「法律事務所と法務部では、頭の使う部分が違う」と表現する弁護士の鍵﨑氏

二宮氏は「事業の現場の人たちが法務に求めているのは、ビジネスの法的側面のチェック。問題があるのならば、どう対処したらいいのか教えてほしいということ。その期待に応えるためには、統合で多角化した事業の中身を知り、現場と緊密な意思疎通を図る必要があります」と話す。

実は当初、「現場からは、何か問題があると同じ会社出身の部員に声がかかることが多かった」のだという。「でも、それでは統合した意味がない。あえて〝旧社〞の垣根は取り払って、仕事を割り振るようにしています」。

目下の悩みは、「規模の拡大があまりにも速く、そのスピードに人員数や業務効率化が追いついていない」ことだ。それもあり、中途採用、特に弁護士の採用を積極的に行っており、この1年間で7人が入社している。「資格にこだわるというよりも、即戦力として期待した」結果が現在の姿であるという。

そのうちの一人、鍵﨑亮一法務部主査は、「企業法務専門の法律事務所で、紛争に携わることが多かったのですが、〝事後〞にコストやエネルギーをかけるのは、ある意味もったいないなと感じていました。私自身、予防法務などもっと前の段階で仕事がしてみたいと思い立ったのが転職のきっかけです」と語る。

「依頼人が持ってきた難問を、時間をかけて解くのが法律事務所の仕事なら、事業会社では実際にビジネスが動いているところに機動的に対応し、問題があるかないかの設定から関与していく。そういうところに知恵を使うのが好きな人だったら、企業は向いていると思いますよ」。

株式会社LIXIL 法務部

また、同じく法律事務所から転身した谷口はるな法務部主査は、「商学部出身でもともとビジネスに興味があったのですが、会社はとにかくスピードが速いのと、対象としている業態も幅広くて勉強が大変。でも、視野が広がっていくのが実感できますし、現場に対して自分なりのアドバイスができた時は、大きな達成感を覚えます」と話す。

現在1兆数千億円規模のグループ売上高だが、将来的には3兆円規模を目標に掲げている。

二宮氏は「当然、企業規模のさらなる拡大は続くでしょう。新しい事業セクションが加わった時、過去にとらわれず、win-winの関係を作ることのできる信頼される法務部でなければいけない。そのためにも、常に現場と連携し、現場の声を聞き、迅速、的確に応えられる法務をつくり上げていきたいと思っています」と語る。

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社屋2カ所の食堂は、最大550名が収容可能。社員“融合"の空間でもある