Vol.39
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事業部門からの信頼も厚い法務グループメンバーと、人事マネジャーとして同グループをサポートする大貫氏(右から2人目)

事業部門からの信頼も厚い法務グループメンバーと、人事マネジャーとして同グループをサポートする大貫氏(右から2人目)

THE LEGAL DEPARTMENT

#45

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

役割はビジネスの拡大に貢献すること。グローバルなリーガルの一員として常に最良のビジネスパートナーを標榜する

世界中の法務の知恵を結集

「ラックス」「ダヴ」といったパーソナルケア製品および「リプトン」などの食品ブランドを中心に市場展開し、今年4月に13年ぶりに新ヘアケアブランド「クリア」を市場に出した世界最大級の一般消費財メーカー、ユニリーバ(本社=オランダ、英国)が日本に進出して、今年でちょうど50年を迎えた。その日本法人の法務グループは、北島敬之代表取締役以下、正社員3名と派遣社員のアシスタント1名の体制。ただ、「実際にはユニリーバの世界中のリーガルが同僚であり上司、という感覚で仕事をしています」と北島氏は話す。

「我々が〝グローバル〞と呼ぶリーガルのトップ機能はロンドンにあり、その下にエリアごとの〝クラスター〞が置かれています。日本はノースアジアに属しており、この〝グローバル〞や〝クラスター〞とのつながりを大事にし、そのリソースを最大限生かしていくのが、日本だけではなく、またリーガルに限らない、グループの基本方針なのです」

そこは、世界190カ国以上で事業を展開している強み。「日本で直面するのと同じような問題は必ずどこかで発生していて、メールなどで問い合わせると、〝経験者〞から的確な答えが返ってきます。もちろん、海外からの〝SOS〞に対応して、力になることもある」そうだ。

そんなリーガルの「役割は大きく2つ」と北島氏は言う。

「1つは、契約書で当社の権利をきちんと保護する、リスクをマネジメントしてアドバイスするなどといった、資産と信用を守る役割。従来型の法務の仕事といっていいでしょう。そしてもう1つは、ビジネスパートナーとして、事業の成長をサポートしていくことです」

「年々比重が増している」という後者の役割について、「要するに法務が関与することで売り上げが伸びる、マーケットシェアが高まる、そういう機能を果たさないといけない、ということです」と説明する。

「例えば、法の枠組みを踏まえたうえで、どれだけ訴求効果の高い広告表現にできるか、というケースで、『規制があるからそれはダメ』というスタンスで仕事をするのは楽でしょう。でも我々は、コンセプト段階から自ら話し合いに加わって、法務の視点を踏まえた表現方法をアドバイスしたりするのです。法律の趣旨や過去の事例を知っているからこそ、できる提案もある。ただそのためには、そのビジネスの目的、ターゲットをきちんと理解することが不可欠になります。難しさとやりがいを大いに感じられる役回りですね(笑)」

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 法務部
製品カテゴリー別に事業部を担当する法務グループメンバーは、できる限り取引先などとの交渉にも同席し、アドバイスを行っている

インターンを積極的に受け入れ

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 法務部
「現場では法務以外の仕事もする」と話す中川氏

法務のほか同社の管理部門では、このように担当部署を進んでサポートする「ビジネスパートナー制度」を導入している。人事面から各グループのサポートを行う大貫直子氏(ヒューマンリソース アシスタント人事マネジャー)は「『必要がある時にドアをノックしてほしい』ではなくて、『積極的に現場に入っていって役に立とう』というのが制度の趣旨なのです。法務グループでは、特にその機能がうまく発揮されていると感じます」と評価する。

北島氏の側近で、他社の法務の経験もある中川裕一リーガルマネジャーも、「法務はできるだけ早い段階からビジネスに関与して、正しい方向に導いたり、法的な問題があればすぐに火を消したりするのが役割という問題意識をずっと抱いていました。そういう意味では、当社のアプローチは理想形に近いと感じています」と語る。

ところで同社の法務は、法科大学院の学生や司法試験合格者のインターンを積極的に受け入れている。

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 法務部
「北島さんの考えを十分理解したうえで、“人”のサポートをしている」と語る大貫氏

北島氏は「来た方には、メンバーといっしょに実際にマーケティングや営業の現場に行ってもらったり、現場から出た質問に対してメモをつくってもらったり、普通に仕事をしてもらっています。想像以上に〝できる〞ので助かっていますよ」と話す。

「インターンシップに前向きなのは、もちろん当社のことをよく知ってほしいから。同時に、企業法務の仕事を理解してもらい、できればそこに加わってもらうことで、業界全体の底上げに貢献したい、という思いもあるのです。実際、興味半分で来た方が、『こんなに面白いとは思わなかった』と前向きに変わった例がいくつもあります。ほか多くの企業も積極的に受け入れてほしい。学生の方には、機会を探してぜひ企業法務の現場に触れてもらいたいと思います」

  • ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 法務部
    インターンを積極的に受け入れている。「単に法律知識を展開しただけでは現場が納得してくれない、といった体験を通じて、学校では学べない多くのものを得ることができる。企業にも、インターンの人生にも、プラスになるはず」(中川氏)
  • ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 法務部
  • ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 法務部
    世界190カ国超で展開されているユニリーバの商品群。広告には法務のセンスも加味されている