情報資産プラットフォーム事業、広告事業およびソリューション事業を展開し、急成長を続けるITベンチャー、株式会社パイプドビッツ。同社は「中期経営計画2017(次世代ITサービスベンダーへと革新する3カ年)」を打ち立て、14年から積極的に事業投資を行ってきた。М&A、業務提携による事業拡大、新サービスの立ち上げ、単独株式移転により純粋持株会社であるパイプドHD株式会社を設立(15年9月東証一部上場)したことなどが成果だ。それらの計画を見越して、法務・業務管理部は13年に新設された。同部が全社に働きかけたサービス優位性およびコンプライアンス意識向上への貢献は目覚ましい。石丸直人部長と外間龍太氏に、近時の同部の取り組みについて聞いた。
「例えば、業務管理を主に担当する阿部は、配属半年で、外注先管理の社内システムについて納品日の記録やリマインド機能追加をアドバイスし、自らアプリケーション改修を実現しました。下請法の観点からも必要な改修でしたし、自社システムを使ってコンプライアンス意識の向上に貢献でき、阿部もやりがいがあったようです」
外間氏は稟議書ワークフローのシステム化や、社内における法的知識の理解を図るeラーニングの設計からアプリケーション開発まで担当。最近は、企業がマイナンバーの収集・保管・廃棄までをクラウドで管理できる「スパイラル®マイナンバー管理サービス」に携わった。
「担当事業部が仕組みやシステムをある程度仕上げた段階で我々が相談を受けるのですが、利用規約を精査する過程で法務の質問によってシステムの問題点も洗い出すことができました。事業ブラッシュアップの一助になれたと自負しており、やりがいを感じました」と外間氏。
同社が委託先となり、クラウド環境で、個人番号を責任もって管理するというサービスで、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」には記載されていないような細かで複雑な多くの問題点を法的見地から一つひとつ解消し、利用規約に落とし込む作業が必要だった。それをクリアできたことにより、顧客の安心を勝ち得て、契約数を伸ばしている。こうした事業への直接貢献は、受け身ではなく、ビジネスマインドを持って事業部と協働できる法務だからこそ、成し遂げられる。