Vol.61
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法務部のメンバーは6名(日本法の有資格者1名)。
法務部法務課として業務にあたる(左から、菊池健光氏、小倉夏呼氏、大石麻理子氏、一色由香氏)

法務部のメンバーは6名(日本法の有資格者1名)。
法務部法務課として業務にあたる(左から、菊池健光氏、小倉夏呼氏、大石麻理子氏、一色由香氏)

THE LEGAL DEPARTMENT

#79

株式会社良品計画 法務部

グローバル全体の法務を担う新設法務部。フットワークよく動き“現場”との協働を推進

グローバル法務、本格始動

1980年の誕生以来、7000品目以上の商品を展開する「無印良品」。それらを中心に、専門店事業の運営と商品企画・製造・販売を行うのが良品計画だ。同社は国内のみならず、海外でも着実に新規出店数を伸ばし続けている。2017年2月、それまで総務部にあった法務機能を独立させて法務部を新設。法務部長の菊池健光氏に背景を伺った。

「21社ある海外関連会社を含め〝グローバル全体の法務機能を担うこと〞を明確に掲げたことが新設の背景です。国内外の店舗数拡大を受け、契約審査、商標など知的財産案件、株主総会対応、コンプライアンスなどのコーポレート関連まですべてに特化できる体制になりました」

東アジア地域には法務担当者がいる国もあるが、ほとんどの地域には基本的に法務専任がいない。メンバーはベンチマーキングとなる香港をはじめ、オーストラリア、カナダ、シンガポールと海外を飛び回る。法務課長の一色由香氏が、その環境下での役割を話してくれた。

「海外の関連会社は、各成長ステージに応じ、現地の弁護士に委ねるべきこと、本社が対応すべきことの切り分けなど、現状把握を行い、支援方法を見極めている段階です。現地の社長や担当者と直接会ってヒアリングし、課題を抽出して日本に持ち帰り、法務部としてどう支援をしていくかを検討しています。現地で不安を持たずに業務推進できる仕組みづくりを、我々が主導していきます」

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    残業は基本的に行わない風土。また「気兼ねなく有給休暇がとれる環境で社員も生き生きと働けます」と小倉夏呼氏。なおオフィスには森林環境保全などの発想から生まれた「国産杉を使用したオフィス向け家具」を配置。ここにも同社の思想が表れる
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    「無印良品」は海外でも人気が高く新規出店が続く。2017年2月にはフィリピンの地元資本と合弁会社も設立。写真左はアセアン地域で最大面積を誇るシンガポール旗艦店。

アイデア先行の事業を法務面からサポート

無印良品は、素材の選択・工程の点検・包装の簡略化という実質本位の商品づくりをベースに「世界の人々に〝感じ良いくらし〞を提案すること」を理念に掲げる。背景にあるのは独自の思想や哲学だ。菊池氏に、その本質について伺った。

「機能特化した商品であるため、形だけマネをされて係争に発展してしまうこともありますが、背景にある思想まではマネできない。それが当社の強み。ただ、商標登録や意匠権などの登録が難しい場合など、どうすべきかと法務が知恵を絞ることは、多々あります」

一色氏も「当社はアイデア先行型。例えばUR都市機構と共同で古い建物の再生法を考える取り組み、棚田・里山などを社会の共有財産として保全する取り組みなど、新プロジェクトが次々立ち上がる。それらをどう契約に落としこむかなど、法的な面からサポートする」と語ってくれた。また同社は中国において第三者が行った無印良品の不正商標登録に関する取消要求の裁判で勝訴したが、現在も海外の商標権侵害に関し、現地の弁護士と連携して対処するケースが多い。昨年は、不正競争行為差止請求訴訟の際に奔走した大石麻理子氏が、仕事のやりがいを教えてくれた。

「フットワーク軽く動ける法務部であることが、仕事のやりがいを生んでくれています。先の訴訟にあたり、証拠収集で多様な部署に足繁く通い、各部がどんな仕事をしているかをより深く知ることができました。その後も各部とコミュニケーションがスムーズにできています」

一色氏は、法務部と各現場とのありようを、「有機的な理解」と表現する。

「企業法務の醍醐味は、ゼロから現場と共に仕事ができること。事業は様々な人々の知識経験の集大成。その一端に携わることが喜びです。この会社が好きでこの会社のために何ができるかを考えて皆が仕事を進めているので、自然と仲間意識が高まり、仕事の質も上がります」

今後どんな人材を求めるのか、菊池氏に伺った。

「これからは法務のゼネラリストで、なおかつ得意・専門分野を持つ、語学が堪能な人材で構成される組織を形成していきたい。何よりもフラットな組織風土を楽しめる人材と共に働いていきたいですね」

  • 株式会社良品計画 法務部
    発売以来、根強い人気の「体にフィットするソファ」(14年度グッドデザイン賞受賞)
  • 株式会社良品計画 法務部
    棚田や畑がある里山全体を社会の共有財産として保全する活動「鴨川里山トラスト」(千葉県鴨川市)はじめ、同社では「100の良いこと」と題し、地域社会、地球環境、生産現場などを軸に社会の役に立つ取り組みを多数実施