海外での販売は販売代理店への卸販売と自社による越境ECがメインで、化粧品関連事業、サプリメント事業(栄養補助食品関連事業)を、アジア・北米で積極展開している。加えて今年、中国での一般貿易販売も開始した。中国の医薬品企業グループとの連携・ネットワークを生かし、中国国内の薬局や医療関連施設などでのサプリメント販売を計画している。そうした事業展開で頼られているのが、即戦力で入社した弁護士。20年入社の和智真美氏は中国市場での展開で、22年入社の宇佐見真菜氏は国内主体のガバナンス強化で存在感を発揮。そんな両氏に、同社での仕事の魅力をうかがった。
「私は前職が法律事務所勤務だったので、そことの違いで言うと、社内外の様々なメンバーと協働できること、経営に寄り添い、ビジネスの主体者として提案や議論を行えることが醍醐味です。当社は、製品の研究開発を行うため、各種機関との秘密保持契約があります。店舗販売も行っているので、賃貸借契約も。さらには事業内容がそれぞれ異なる、グループ会社の契約書も見ます。そのように契約書一つとっても、多岐にわたる知識と対応力が養える環境です。また、コンプライアンスやハラスメントなど、特に役職者を対象とした社内研修の講師を担当する機会も。幅広い業務に携われることに、やりがいを感じています」(和智氏)
「私は法律事務所勤務の経験はないのですが、複数社の企業法務部で経験を積んできました。多様なバックグラウンドを持つ、法律の専門家以外の方々とも協働できるインハウスローヤーの仕事が私は大好きです。当社の場合は、直営店舗の美容部員やパートなどを含めると約4000名が在籍していますが、そのうち正社員数は約1000名となります。吉田課長が話したように、決裁基準の作成や稟議受け付けといった情報が集まるフローもありますが、私にとっては、日頃のコミュニケーションの範囲内でビジネス現場の動きが察知できる、ちょうどよい規模感の会社だと思います。例えば、『経営サイドでこんな動きがあるから、この法律相談がきているようだ』とか、『ほかの部署でこんな動きがあったから、契約書にはこの内容を入れておくほうがよいだろう』など、ビジネスの全体観を推測したり、点在する情報と情報をつなげて、付加価値の高い提案やサポートを行うことを心がけています」(宇佐見氏)
勤務形態について両氏ともに「フレックスタイム制が部内にしっかり浸透しており、限られた時間内で成果を出すよう、残業をした場合は各自都合に合わせて出退社時間をうまく調整して業務に集中しています。制度をきちんと使える雰囲気があることは、働きやすさにつながっています」と語る。
弁護士としての両氏について、山城氏は次のように語る。
「部内に限らず周囲と積極的に連携を取り、法律に詳しくない部署のメンバーにも、難しいことをわかりやすく伝えていく――それを実践してくれている二人のこれからの活躍を、一層期待しています」