私も遠藤弁護士も、「外部弁護士だから」という線引きができないタイプです。ビジネス自体に興味があるので、ビジネスの理念、スキーム、開発スケジュール、仕様書など、「どうぞ遠慮なさらず、なんでも見せてください」とクライアントにいつもお願いしています。特にテック絡みの新規ビジネスでは、法整備が追い付いていない場合もあり、サービス関連の契約書や利用規約作成の際に仕様を優先すると、解釈次第では違法になりかねないというケースも起こり得ます。それが起きないよう、状況に応じて、画面遷移やデモなどもチェックします。そして、エンジニアと営業担当の意見が食い違い、仕様変更が生じそうな場合、リモート会議に参加して「それなら契約書も直しちゃいますね」という具合です。時間勝負の案件も多いので、おせっかいに映るかもしれませんが、そのようなかたちでかかわらせていただいています。私たちは、ビジネスのスピードを緩めたり止めたりせず、いかに適切なアドバイスを差し上げることができるか、そこに常に注力しています。サービス業としての顧客満足の獲得と、法律のプロフェッショナルとしての力量発揮――そのバランスがうまくとれて、クライアントの役に立てた時の喜びはひとしおです。
クライアントが判断しやすく、納得感を持ってもらうために、常に2、3の選択肢を用意して、提案することを心がけています。私自身タイで経営者として提案を受ける立場にあった時、「できない」と結論だけ言われ、「なぜ?」や「他の対策はないのか?」と残念に思ったことがあります。その時の思いもあって、代替策もないまま、「それは法律上無理ですね」とは、なるべく言わないよう心がけております。なんとか解決できる方向を探り、さらに複数の選択肢を用意して、提案する。そのために、クライアントに深く入り込む。クライアントの状況を十分把握し、背景をしっかり理解できれば、ソリューションは必ずあると思っています。どんな案件であっても“Your Answer&Accelerator”になれる、それが私たちのこだわりです。