インターネットサービスのパイオニアであるヤフー株式会社は、10チーム60名体制の法務本部を擁している。なぜこれほどまでの人員と細分化が必要なのか。その理由を別所直哉CCO・法務本部長に伺った。
「業務が多岐にわたっているため。そしてより機能的に仕事をするためです。法務本部が所管している仕事は、一般的な法務・コンプライアンス・知財ですが、さらに細かく見るとガバナンスやコーポレートデベロップメント担当、契約業務の担当が必要でした。関連会社・子会社の担当も別チームにしていますが、これは各社それぞれのやり方を尊重するためです」
法務本部設立のため入社した別所氏はその歴史すべてを知っている。ヤフー法務本部が体制を強化し、社内における役割を高めていった過程をこう振り返る。
「当社は1996年設立の新しい企業ですが、当初から法務の必要性を強く認識していました。99年、法務専任部署を設置。会社が必要とする法務サービスすべてを提供し、体制が整ってからは経営の意思決定にも参与するようになっています。現在の法律が想定していないインターネットの新サービス提供を行うためさまざまな規制に対応するのも大きな特徴で、現在も行政担当窓口は法務本部です」