主要クライアントは何らかの技術を持つテクノロジー・カンパニーで、全体の7、8割を占める。メーカーを中心とする大企業、物づくり系やITサービス系の中小・ベンチャー企業などだ。「メーカー系の大企業からは知財訴訟を中心に訴訟案件の依頼が多く、最近では特許の鑑定意見書の作成依頼も増加。特許案件を強みの一つとする当事務所の特徴が広く認知されてきていると感じうれしい傾向です」(鮫島弁護士)
中小・ベンチャー企業からは知財戦略の立案とこれに続く事業化の交渉・契約書作成などの依頼が増加。この分野は同事務所が特に力を入れており、企業の経営戦略に基づき、リーガルの見地からアドバイスをしている。
「たとえば、技術を商品化・実用化するために、相手先の大企業に対してどのような条件を提示するか、顧客の財務など経営的事項を見据えつつアドバイスすることもあります。弁護士が経営戦略まで踏み込むのは、まだ違和感を覚える国内企業も多いのが実情ですが、海外では広く行われています。インターネットの普及で一般的なリーガル情報であれば容易に入手できる時代。だからこそ、その企業の経営戦略との整合性まで検討した提案が求められはじめています。コンサルティング会社と異なるのは、交渉結果を契約書にまとめたり、訴訟になった場合の結果を見据えてアドバイスをしたりなどの弁護士にしかできない実務を行える点。技術を企業の事業競争力や収益へと換えるサポートをトータルに行うのが特徴です」(鮫島弁護士)