同事務所では、アソシエイトの育成も風通しを良くし、居心地の良い場所を自らで作れるようにしている。「アソシエイトとパートナーの仕事の関係は固定せず、多様なパートナーとアソシエイトが組んで、仕事ができるようにしています」(栗林弁護士)。
新人弁護士は、入所後1年かけて金融、訴訟・紛争、企業法務の3分野をローテーションで回る。いろいろなパートナーの仕事のやり方に接する機会を得て、自分の適性をつかんでいくことが狙いだ。さらに、同事務所では業務分野ごとのグループがあり、弁護士は専門に応じて一つないしは複数のグループに所属し、情報共有などを図っている。アソシエイトは、自分の深めたい仕事、広めたい領域が選択できる。
「規模が大きくなるとパートナーもアソシエイトの状況をすべて把握することが難しくなります。どのグループに属するかは、アソシエイトがどういう仕事をしていきたいかの意思表示にもなり、パートナーにとってはどのアソシエイトに仕事を依頼するかの判断材料の一つとなるのです」(片山弁護士)。「自ら所内で仕事を見つけていかなければならないという厳しい面もありますが、依頼者のニーズを的確につかむスキル、主体的に仕事を得るという弁護士に必要な力の訓練にもなっています」(栗林弁護士)。