コカ・コーライーストジャパンは、2013年に関東・東海地域の〝ボトラー〞と呼ぶ製造・販売会社4社の経営統合により発足。15年にも1社(仙台)を事業統合、17年4月にはコカ・コーラウエストとの経営統合を予定する。これにより売上高で世界第3位のコカ・コーラボトラーが誕生することとなり、統合後3年間で200億円規模のシナジー創出を見込む。これらの統合プロジェクトには、法務本部も交渉から統合実現に至るあらゆる段階に深く関与している。仙台のボトラー統合に携わった横井祐子氏は、次のように語ってくれた。
「当社は発足以来、大規模な統合を常に進めてきました。それらのプロジェクトと、製造・販売など業務そのものに対する法的支援や日々の相談対応などを並行して行う環境にあることが特徴です。統合のまっただ中にあるため、様々なルールや仕組みを新たに一からつくり上げることが求められます。〝法律的な正解〞をアドバイスするだけでなく、多くの人たちと協働しながら、その後の実行フェーズにまで深くかかわっていける――まさに事業ダイナミズムを体感できることが、仕事の醍醐味です」
カルチャーが異なる複数の企業を統合したこともあり、法務の役割・重要性の認知度を全社的に高める施策を講じてきた。法務本部長の尾関春子氏は言う。
「社内のイントラネットやニュースレターなどを用いて情報発信することはもちろん、人事、ファイナンス、営業など他部門のリーダー会議に法務本部のメンバーが参加し業務に精通することで、部門が抱える〝課題の芽〞を見つけて法務本部に持ち帰り、解決策や改善策を検討、部門にフィードバックする作業を継続しています。法務へ気軽に相談してもらうためには、まず自分たちの〝顔〞を知ってもらい、法務がどんな場面でかかわる必要性や意義があるか、事例を積み重ねて各部門に理解浸透させていく取り組みが必須です。フットワーク軽く動けて、法的知識とチームワークを生かし、新しいものをつくっていくこの仕事に、やりがいを見いだせるメンバーを集めています」