若手の金塚彩乃弁護士は、林弁護士と共に育児休業差別事件などを手がけ、強姦(ごうかん)救援センターの登録弁護士として、社会的に被害に遭う傾向の強い女性の支援活動なども行っている。こうした活動について林弁護士は、「どんな事件でも紛争のもとにあるジェンダーの視点から現代の社会的、文化的に形作られた性差を明らかにし、今より一歩前に進める努力を続けています。また国際人権法をはじめとする国際法に強い事務所を目指しています」と語る。
しかしながら、「女性弁護士だけの事務所を作ろうと意図したわけではなく、クライアントも女性に限っているわけではない」と林弁護士は言い、取り扱い分野も民事、家事、刑事、労働の各種事件、知的財産法、渉外案件など幅広く、在東京の各国大使館からの依頼も多い。林弁護士は海外建築プロジェクトの契約書作成や、若手建築家への契約法の講座なども手がけており、加城弁護士は成年後見の事件も担当している。
国連で活動する林弁護士を筆頭に、国際的に活躍する弁護士がそろっていることも同事務所の特徴の一つだ。国内では数少ない日仏両方の弁護士資格を持つ金塚弁護士は、フランス法や仏語での渉外家事事件、渉外労働事件やフランス系企業の企業法務なども担当。またニューヨーク州弁護士資格も持つ大村恵実弁護士は、外務省が派遣するジュニア・プロフェッショナル・オフィサーとして、今秋よりジュネーブのILO(国際労働機関)本部に赴任する。