「『国税当局の税務調査が入ることになったが、最近は難しい裁判例も出てきている。その裁判例を踏まえたうえで対策を検討したい』などといった、税務調査に対応するためのご相談が増えています。つまり、以前は処分を受けてからの事案、訴訟などに関する依頼が多かったのですが、今は税務調査の段階で、どんなことが争点になりそうか、訴訟になったらどう対応すべきか、またどんな証拠を用意するべきかなどのご相談が、我々のもとに寄せられています」
特殊な案件を扱えること、クライアントの要望に合わせた柔軟な対応ができることは、各弁護士が高度な専門知識を有するからなのはいうまでもないが、パートナーの経歴の多彩さも一役かっているようだ。例えば、宇賀村彰彦弁護士は公認会計士の資格も有し、企業会計、税務的視点を加えたアドバイスができる。また中村隆夫弁護士は企業の代表や社外役員などを務めたのち弁護士資格を取得した〝ビジネスの実態〞を知る弁護士である。そうした弁護士たちが、協力し合って取り組むので、経営者にとって〝かゆいところに手が届く〞法的サービスが受けられるのだ。
高田弁護士は、そうした弁護士たちが醸成している所内の雰囲気を次のように語る。
「重視するのは風通しのよさ。専門性の高い案件に少人数で取り組むには、ノウハウの結集や弁護士同士の切磋琢磨が不可欠。元々同じ事務所出身で仕事のやり方も気心も知れた仲間ですが、その利点を生かすため、環境にも配慮しました。各自のデスクはパーティションで仕切らずオープンにし、自由闊達に意見交換や情報共有ができるようにしました。若い弁護士にとっては、担当案件以外でも周囲の弁護士の話し方やその内容などから、多くのことを自然と吸収できるはず。得るべきものが多い環境になっていると思います」
高田弁護士は取材の最後に、「会社法分野と税法分野を融合させることで最大限の力を発揮し、さらに情報法など周辺法で業務の柱を太くしていきたい。また一人ひとりが〝強い個〞であることを前提に、強いチーム力で先端的かつ創造的な法的サービスを提供していきたいです」と締めくくってくれた。