弁護士法人アドバンスの設立は、2014年9月。東京事務所のほかに埼玉事務所、福岡事務所があり、上海にも提携事務所を持つ。まだ法人化から3年あまりだが、顧客の要望に応え、着実に陣容を拡大してきた。代表の五十部紀英弁護士は語る。
「『すべての人に、質が高くわかりやすい法律サービスと満足を』。これが我々のポリシーです。М&Aやコーポレートなど高い専門性を必要とする法人はもちろん、家事事件につながるトラブルで困っている個人も気軽に相談に来てもらえるよう間口を広げ、そのうえで常に上質な法的サポートが提供できるプロ集団であることを心がけています。そのため、所属弁護士はそれぞれ、専門分野以外の得意分野を複数身につけるべく、業務に励んでいます」
顧問業務を例に挙げると、契約書を誰よりも数多くレビューし、徹底して細部を見られる弁護士が多く在籍している。また、システム開発(受注側)に関する契約や損害賠償請求、医師・歯科医の行政処分対応(医療審議会の対応)など、ニッチな分野も網羅する。しかし同事務所の強みは、そうした知識やテクニックだけではない。五十部弁護士の右腕、八木田大将弁護士は、もう一つの特徴を次のように説明してくれた。
「例えば離婚事件で、『夫は慰謝料50万円程度なら払ってくれそうなのだが、そもそも離婚に応じてくれず困っている』という相談がありました。そこで我々は、当事者双方と話し合って解決の糸口を見つけ、最終的には高額の慰謝料も獲得。夫側からも、『納得ができた。けじめもついた』と言ってもらうことができました。話し合いや書面など様々な方法で、〝争いを終結させる〞のではなく、〝争いの根を払う〞ことができた好例です。
コーポレートでも、我々が関与したことで倒産を回避できたうえ、顧問契約を結ぶに至ったという案件もあります。つまり、〝あとがない相談者〞を決して見捨てることなく、じっくりコミュニケーションを取り、新しい未来に自信を持って踏み出せるまでサポートしよう――そうした心意気を持つ弁護士が集まっているということです」