Vol.11
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前列左から、斉東忠男弁護士(旧61期)、松原曉弁護士(28期)、春木成得弁護士(旧60期)、後列左から、安岡隆司弁護士(57期)、上野潤弁護士(新61期)、山口陽一郎弁護士(新61期)。外資系金融機関で15年外国為替ディーラー経験を持つ春木弁護士、大学院でバイオを研究していた上野弁護士など、個性豊かなメンバーがそろっている

前列左から、斉東忠男弁護士(旧61期)、松原曉弁護士(28期)、春木成得弁護士(旧60期)、後列左から、安岡隆司弁護士(57期)、上野潤弁護士(新61期)、山口陽一郎弁護士(新61期)。外資系金融機関で15年外国為替ディーラー経験を持つ春木弁護士、大学院でバイオを研究していた上野弁護士など、個性豊かなメンバーがそろっている

STYLE OF WORK

#16

藏王法律事務所

よりよい仕事をすることと、新人弁護士教育は一体。 独自の手法で、「戦略的な解決力」の習得を推進

企業法務から刑事・家事事件、相続問題まで良い仕事のために新人教育は欠かせない

「新人教育にはOJTといわれますが、経験させることと経験を通じて知恵や技を身につけることは別。経験を通じて具体的な指摘、課題付与を行い、その結果を点検し、また指摘と課題付与を行う。この繰り返しが必要であり、単なるOJTでは経験はさせるが教育指導は放置する、といったことになりかねません」

そう話すのは、今年で創立30周年を迎える藏王法律事務所の松原曉弁護士(28期)。長年一人で行ってきた事務所運営を、「依頼者に迷惑をかけないよう、後進を育てたい」との思いから方向転換。7年前から機能的な事務所づくりに着手し、弁護士6名、事務スタッフ6名にまで規模拡大をはかった。同時に若手育成ツールとしてITシステムの中に「Eルーム」を設置。「戦略的な解決力を持つ事務所、依頼者の目線に沿える事務所」を経営方針に掲げ、独自の手法で案件管理、進ちょく管理を行っている。

藏王法律事務所
案件は松原弁護士と他弁護士が組むのが基本。大規模案件になると人数が増える。「松原弁護士はどのような案件でも対応できる人。医療、建設訴訟、先物、水利権など、いろいろな案件に携われるのが大きな魅力です」とは春木弁護士

「仕事は見えるようにしましょう、というのが私の考え方。依頼者の相談内容は書記役の弁護士がパソコンに入力し、相談後すぐにペーパーにして依頼者にお渡しします。依頼者はメモの必要がなく相談に集中できますし、弁護士自身も聞き取りが不十分だったとか、相談内容を反すうすることができるため仕事の精度が高まっていきます」(松原弁護士)

「聞き取り」後は事実について時系列表を作成。そして間をおかず、問題解決の戦略的な設計図となる「見立て書」を作成する。
「依頼者は理屈を聞きにくるのではなく、自分の抱えている問題の具体的な見通しを聞きたいわけです。ですから問題解決に至るまでを計画的に想定して、設計図をつくること。そして設計図に従って迅速的確に実践していくこと。これが当事務所の考える『解決力』です」

事案の整理、法的根拠の整理、解決までの所要時間など、「見立て書」には入力項目が設定されており、作り直した場合も作成履歴は保存され、変化の過程を検証できるようになっている。また、「E ルーム」の機能では案件ごとに、ほかの弁護士も自由に閲覧することができ、スレッドでの発言も可能。解決過程の手法、クオリティーをリアルタイムで確かめられるため、若手弁護士の業務管理、育成に大きく役立っているという。

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    依頼者の方に和んでいただけるよう、オフィスは床にムクの木、壁には吸音力のあるコルクボードを使用。やさしい風合いでまとめられている。2階のミーティングルームは掘りごたつ式。3、4人の合議は1週間単位で実施、ここでもPCと書記役は必須となっている
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    依頼者の対応は、十分な助言を行うために必ず事情聴取者と書記役の2名で行う。書記役が相談内容などをPCに入力すると、プロジェクターでその内容が映し出される。「具体的な仕事」を追求する同事務所の手法は、依頼者から大好評だ

「松原所長は職人かたぎの高いスキルを持った弁護士、若手に教える現場の姿は、まさに親方。学ぶことばかりです」と話すのは、安岡隆司弁護士(57期)。60期、61期の若手弁護士が多い同事務所であるが、「何でも話し合える。仕事がやりやすい」と皆が口をそろえて言うように、事務所は自由闊達(かったつ)な雰囲気に満ちている。取り扱い案件が企業法務、温泉ホテルの再生、高齢者の資産管理、相続問題、水利権・温泉権問題、不動産、交通事故、家事・刑事事件など多岐にわたっている点も、 弁護士の意欲向上につながっている。

「よりよい仕事をすることと、新人弁護士教育は一体」だと語る松原弁護士。「私が提供したいのは、迅速・的確・親切な仕事を実現できるスキル。当事務所で働く価値をここに見いだしてほしい」と力強く語ってくれた。

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    事務所名は、諸悪の根源を振り払ってくれる「藏王権現」が由来。「事務所と自分は別のもの。事務所はたくさんの人が集う公器である」との思いから、親交のあった、当時東大寺副管長の故清水公照老師に名付け親となってもらった
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    事務所に入ると、最初に出迎えてくれるのは受付などを担当する伊藤さん。依頼者への気配りは抜群で、そのやさしい笑顔に出会うと不安や緊張もスッととりのぞかれる。面倒見のよさもあって、所内ではマスコット的存在として活躍