同事務所ではフランス人の弁護士研修生の受け入れにも積極的だ。日本での司法修習制度にあたるフランスの研修制度では、2年間のうち、6カ月の実地実務修習が単位として認められる。同事務所では研修生を毎年数名受け入れているが、CVMLのパリ事務所から依頼されるだけでなく、個人的に志願してくる研修生もいるという。「外国語、異文化を理解することは、日仏問わずこれからの弁護士には絶対に必要です」とデュボワ外国法事務弁護士が語るように、同事務所では日本にいながら日常的に異文化交流を図れることも魅力の一つだ。
このようにフランスの事務所でありながら日本のビジネス文化との調和を重視する同事務所の活動は、今後さらなる広がりを見せる。「昨年はM&Aの大型案件を4、5件担当し、知的財産分野の案件も増加しています。さらに今後は、日本からフランスや欧州へ進出する企業、欧州の資産や不動産購入などを考えている企業などを積極的にサポートしていきたいと考えています」と池田弁護士は展望を語る。
また、デュボワ外国法事務弁護士も、「パリ事務所にはジャパンデスクがあり、フランス法の資格を持つ日本人の弁護士と税務に精通したフランス人の弁護士が常駐しています。また、日本企業との豊富なビジネス経験を持つフランス人弁護士が東京事務所に参加する予定もあります。欧州進出を考える日本企業の支援体制を強化し、積極的に開拓していきたいと考えています」と同事務所の未来像を意欲的に語ってくれた。