弁護士法人マーシャルアーツ。その名のとおり、「闘う弁護士たち」を擁する法律事務所だ。代表パートナーの堀鉄平弁護士は、総合格闘技のプロ選手というもう一つの顔を持つ。まずは、真剣に取り組んでいる格闘技が業務にどんな影響を与えているか、堀弁護士に聞いた。
「格闘技の試合や練習で培った『あきらめない心、折れない心、かけひき、コンディションづくり』が、弁護士としての私を強くしてくれています。自分自身を律して練習を積み、命がけの真剣勝負でリングに上がり、試合は対戦相手との心理戦です。例えば、裁判所から不当と思われる和解を勧められた場合、徹底的に相手方弁護士や裁判官と駆け引きを行い交渉し、依頼者の利益になるなら和解に応じず、判決をもらいます。また裁判当日に反射神経、洞察力を最大限に発揮するためのコンディションづくりも怠りません。すべてにおいて、相通じるものがあると考えます」
そんな堀弁護士が掲げる事務所の基本理念は「依頼者のために相手方や裁判所と徹底して闘うこと」。この「闘う」という理念には、己の心との闘いも含まれるという。
そしてアソシエイトたちは、堀弁護士の理念を、日頃の業務中、週1回の朝礼、飲み会の席のあいさつなど、折に触れて、何度もたたき込まれる。
「入所後3年間は法律相談のやり方や書面作成はもちろん、交渉術も実地で教え込む。そしてしっかり独り立ちしてもらいます。受任事件数が非常に多く、パートナーもアソシエイトもほぼ平等に、案件が割り当てられます。理念に基づいて臨むこと、そしてスピードを一件一件に求めますから、うちの弁護士は皆成長が早く、タフで優秀。そう自負しています」。
同事務所の取り扱い分野は幅広いが、柱の一つが債権回収だ。
「特に少額の債権回収の場合、回収額より着手金が高くなるケースもあります。依頼者から見れば納得できませんよね。ですから我々は着手金をいただかず、完全成果報酬型で債権回収業務を行っています。ほかではなかなかマネのできない、我々が独自に積み上げてきたノウハウ・仕組みを生かして、確実に実績を出す。その後、依頼者との顧問契約に結びつける。これが我々のビジネスモデルです」