「事務所の歴史が長い分、お付き合いが長いお客さまがたくさんいて、そこからご紹介が広がります。寺社などはその一例。大きな寺社の法的支援をすると、その配下の寺社からの相談も増えるというかたちです。以前、神社の不動産登記に絡む一種の詐欺事件に関与しました。神社にとって必要な参道や境内地などの不動産をある人物が不当に死因贈与の形式で取得したため、その土地を我々が取り戻したという事件で、かなり複雑でした。これは高谷弁護士のご友人で大きな神社におられた方が、その〝姉妹神社〞の管理をするなかでご相談くださったものでした。付け加えれば、この事件の時も高谷弁護士は、おおむね私の判断を尊重してくれました。もちろん何度も相談には乗っていただきましたが(笑)」と、中田弁護士。
もう一つ〝ならでは〞なのが、事務局長の長年にわたる貢献。
「事務局長は、当事務所が開所した頃から勤務しており、古い付き合いの依頼者は、まず彼に連絡します。私たちより依頼者に詳しく、背景事情の説明もしてくれます。寺社関連は、特にその流れで進むことが多いですね」と、語る高谷弁護士。
弁護士・事務員一体となって、先代からのご縁をつなぐ一方で、中堅が中心となり、Webサイトのリニューアルにも取り組むなど、営業経路の拡充を試みる。守るべき伝統と次代への挑戦の融合が事務所の未来を切り開いている。