Vol.53
HOME事務所探訪土屋総合法律事務所
  • ▼弁護士のブランディング支援サービス

    Business Lawyer's Marketing Service
  • ▼弁護士向け求人検索サービス

    想いを仕事にかえていく 弁護士転職.JP
  • ▼弁護士のキャリア形成支援サービス

    弁護士キャリアコンシェルジュ
  • 当社サービス・ビジネス全般に関するお問い合わせ

前列左から、鶴田進弁護士(38期)、高谷進弁護士(22期)、高橋謙治弁護士(49期)。
後列左から、平岡広輔弁護士(新63期)、藤井直孝弁護士(旧61期)、荒木邦彦弁護士(54期)、横山太郎弁護士(64期)、中村仁志弁護士(55期)、中田貴弁護士(53期)

前列左から、鶴田進弁護士(38期)、高谷進弁護士(22期)、高橋謙治弁護士(49期)。
後列左から、平岡広輔弁護士(新63期)、藤井直孝弁護士(旧61期)、荒木邦彦弁護士(54期)、横山太郎弁護士(64期)、中村仁志弁護士(55期)、中田貴弁護士(53期)

STYLE OF WORK

#94

土屋総合法律事務所

建築紛争、労働事件、企業法務などのプロフェッショナルが結集し、伝統をつなぐ

過払い金返還請求が認められるきっかけを作った事務所。企業法務などのプロフェッショナルが結集する

故・土屋公献弁護士
故・土屋公献弁護士。1994年から2年間、日弁連会長を務めた。長年そばにいた高谷弁護士は、「土屋先生は、“強きをくじき弱きを助ける”に徹した、豪胆で、面倒見のいい方でした」と語る

土屋総合法律事務所は、1965年、日弁連会長を務めた故・土屋公献弁護士が開所した事務所だ。土屋弁護士は、過払い金返還請求が一般的ではなかった68年に、最高裁判決を勝ち取り、過払い金返還請求が広く認められるきっかけをつくった人物。現在は高谷進弁護士、鶴田進弁護士、高橋謙治弁護士が代表弁護士として、事務所をけん引する。高谷弁護士が、今の事務所の風土につながる土屋弁護士の人となりを語ってくれた。

「土屋弁護士は常々、人の権利を擁護するのが弁護士の仕事だと言っておりました。過払い金返還請求の問題も、弱い立場に置かれた人を守るという活動成果の一つ。周囲が驚くほど、依頼者を守るために大胆な行動を取ることもありましたが、一件一件に全力で取り組むという土屋の気風・志に惹かれ、多くの弁護士がこの事務所に集まり、巣立ちました。今の事務所のメンバーも、そうした土屋の理念を受け継いでおります」

かつては、土屋弁護士の方針で「7年経ったら弁護士は独り立ち」が不文律だったという。

高谷進弁護士
高谷進弁護士(パートナー)/1988年から司法研修所で刑事弁護教官を 3年務め、41期~44期までの修習生を教えた。2000~02年、日弁連の住宅紛争処理機関検討委員会委員長。14年、研修所の教官を務めたことなどから、最高裁の推薦で旭日小綬章を受章。創設者の土屋弁護士が開所した頃、イソ弁として勤務。いったん独立したが土屋弁護士にこわれて戻り、土屋・高谷法律事務所として事務所運営に参画(土屋総合法律事務所への改称は、鶴田進弁護士の入所時)。

「今は組織の強化・発展に注力すべきタイミングなので、そのルールは取りやめました。中堅・若手ともに、事務所の次のステージを担う人材となってくれるよう、研鑽してもらっています」と、高谷弁護士。

守り続けている伝統もある。

「(若手でも)任せて自分で考えさせる」が、それだ。中田貴弁護士は言う。

「上の弁護士からの〝あれやれ、これやれ〞がなく、かなり自由です。そのため、各々関心ある分野の事件を自然と多く取り扱っています。それで、建築紛争なら高橋弁護士、私は労働事件・家事事件、交通事故なら荒木弁護士、刑事事件は中村弁護士という具合に一人ひとり得意分野ができていく。若手についても、上の弁護士は『この線で行こう』と指示はするものの、なるべく本人のやり方や判断に委ねます。今では中堅の我々も、そんな環境だったから早く成長できたと感じています」

民事・刑事、多様な分野に対応できる同事務所。少し変わった分野として、寺社からの相談・事件が多くあるという。

中田貴弁護士
中田貴弁護士/同事務所の“準パートナー”にあたる中堅弁護士4名のうちの一人。人事労務問題(労働審判、時間外手当請求事件、団体交渉対応を含む)、企業法務、企業再生(民事再生など)、不動産取引、借地借家問題、離婚関連事件(婚姻費用分担事件、子の引渡し等を含む)、後見(成年後見の申立など)、相続(遺言書作成、遺産分割、遺留分請求など)などに力を入れる。2008年に、日弁連広報室長、14年、二弁の綱紀委員会委員を務めるなど、弁護士会活動にも参加。

「事務所の歴史が長い分、お付き合いが長いお客さまがたくさんいて、そこからご紹介が広がります。寺社などはその一例。大きな寺社の法的支援をすると、その配下の寺社からの相談も増えるというかたちです。以前、神社の不動産登記に絡む一種の詐欺事件に関与しました。神社にとって必要な参道や境内地などの不動産をある人物が不当に死因贈与の形式で取得したため、その土地を我々が取り戻したという事件で、かなり複雑でした。これは高谷弁護士のご友人で大きな神社におられた方が、その〝姉妹神社〞の管理をするなかでご相談くださったものでした。付け加えれば、この事件の時も高谷弁護士は、おおむね私の判断を尊重してくれました。もちろん何度も相談には乗っていただきましたが(笑)」と、中田弁護士。

もう一つ〝ならでは〞なのが、事務局長の長年にわたる貢献。

「事務局長は、当事務所が開所した頃から勤務しており、古い付き合いの依頼者は、まず彼に連絡します。私たちより依頼者に詳しく、背景事情の説明もしてくれます。寺社関連は、特にその流れで進むことが多いですね」と、語る高谷弁護士。

弁護士・事務員一体となって、先代からのご縁をつなぐ一方で、中堅が中心となり、Webサイトのリニューアルにも取り組むなど、営業経路の拡充を試みる。守るべき伝統と次代への挑戦の融合が事務所の未来を切り開いている。

  • 土屋総合法律事務所
    裁判の進捗状況や内容は報告書を作成・共有。ランチタイムも活用してアドバイスし合う
  • 土屋総合法律事務所
    コミュニケーションが活発な風土。写真右の藤井弁護士は7月からアメリカへ留学。「英文契約書も増えていますから、帰国後は重要な戦力になってくれると思います」(高谷弁護士)
土屋総合法律事務所
昨年の創立50周年を祝う会には歴代所属弁護士や事務員が集結。「みなさん快く出席してくれました。誰にとっても働きがいある事務所だったことがうれしいですね」(高谷弁護士)