Vol.64
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前列左から、木村庸五弁護士(29期)、小森蘭子弁護士(68期)、宮﨑礼壹弁護士(22期)、後列左から、室伏康志弁護士(37期)、小野雄作弁護士(30期)、広羽泰子司法書士、山中眞人弁護士(50期)。および高世三郎弁護士(29期、当日不在)

前列左から、木村庸五弁護士(29期)、小森蘭子弁護士(68期)、宮﨑礼壹弁護士(22期)、後列左から、室伏康志弁護士(37期)、小野雄作弁護士(30期)、広羽泰子司法書士、山中眞人弁護士(50期)。および高世三郎弁護士(29期、当日不在)

STYLE OF WORK

#119

狛・小野グローカル法律事務所

ファイナンスのプロが集結。“狛ブランド”の継承、発展に尽くす

ファイナンスのプロが集結し各自の専門性を組み合わせ相乗効果を上げる

ファイナンス分野に強いブティック型の狛・小野グローカル法律事務所。「Legal 500」の独占禁止法部門などで高い評価を得てきた狛文夫弁護士が、2016年4月に開設した事務所だ。狛弁護士は、あさひ・狛法律事務所やベーカー&マッケンジー法律事務所(B&M)の前身でネームパートナーを務め、国内外の商事取引、金融取引などを牽引し、後進育成にも尽力した人物。弁護士経験の多くを同氏のもとで積んできた山中眞人弁護士は、「まさに〝ボス〞タイプで面倒見がよく、アイデアマンで適応力があり、クライアントの心をつかむのも早い。近時は特に独禁法分野で知られたが、不動産・ホテル事業取引の経験も豊富。間違いなく〝一時代〞をつくった弁護士」と語る。

その狛弁護士が世界最大級のB&Mを退職し、「新たな時代に対応し得る法律事務所を」と事務所を開設。しかし約1年後、事務所拡充を準備中、急病のために、多くの人たちに惜しまれつつ他界した。

狛・小野グローカル 法律事務所
狛文夫弁護士(29期)/修習同期の木村弁護士は「彼はギターがうまく、歌声は素晴らしく、多才な人物だった」と振り返る。小森弁護士は「事務所紹介文の執筆やインフラ整備なども自身で行い、一からの事務所づくりを楽しんでおられたようです」と語る(撮影:渡辺達生)

現在の事務所の陣容について、小野雄作弁護士に尋ねた。

「当初より、狛弁護士と修習同期である元・東京高裁裁判官の高世三郎弁護士、アソシエイトとして小森蘭子弁護士が参画しており、狛弁護士が逝去された直後に、狛弁護士と修習同期の木村庸五弁護士が当事務所に加わりました。その後に私と山中弁護士、クレディ・スイス(銀行および証券)の日本のジェネラル・カウンセルとして長く勤めた室伏康志弁護士、内閣法制局長官も務めた宮﨑礼壹弁護士が加わりました。狛弁護士の思いをつなぎ、〝狛ブランド〞を継承するため、同氏と親交があった弁護士が、集結したかたちとなっています」

そう語る小野弁護士も、英国の弁護士格付け機関である「チェンバーズ&パートナーズ」の投資ファンド分野で高い評価を得ている人物だ。

狛・小野グローカル 法律事務所
小森弁護士は、開業時から狛弁護士のアソシエイトとして活躍。狛弁護士と同期の木村弁護士や、小野弁護士、山中弁護士ほかベテラン弁護士のもとで経験を積んでいる

質・量ともに急速な充実を進めている同事務所。各自の専門性を組み合わせ、相乗効果を上げている。山中弁護士が一例を紹介してくれた。

「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)から、証券訴訟に関する法務等助言業務を受託しました。資産運用に関する業務を20年以上担当してきた木村・小野両弁護士と私たちとの複合力に期待してもらった結果だと思います。また、譲渡制限株式の売買価格決定の裁判も担当していますが、ここにも当事務所の弁護士が有する証券・金融・会社・訴訟など多様な知識・経験が生かされています」

「現在、新たな規制がかかるかもしれない分野は多数あります。そうした新たな規制が絡む案件に関与することがしばしばあり、その際、内閣法制局長官の経験がある宮﨑弁護士の助言が貴重なものとなることは間違いありません。加えて、17年半もの間、〝クライアント側〞にいて、クライアントの欲するところを熟知している室伏弁護士の知識・経験も、当事務所にとって貴重な戦力となるでしょう」(小野弁護士)

同事務所では、伝統的分野として、外国投資信託や外国企業の開示案件も取り扱う。弁護士は全員英語が堪能で、複雑なクロスボーダー案件もお手のものだ。最近は、リーズナブルなフィーで高度な専門性を求める外国の法律事務所との協力事案も増えている。まさに、狛弁護士が望んだ「小粒ながら山椒のごとき」存在感を示す事務所だ。

最後に、こうしたプロが集まる事務所において、どのような人材が求められているのか、木村弁護士に尋ねた。

「私たちの事務所は小規模ですが、その分、様々な案件にフレキシブルに対応できますし、担当案件の内容も高度なものが多くなります。大きな事務所で安定してやっていきたいという志向の方もいると思いますが、こうした事務所で経験を積むことにより、『早く成長したい。任されたい。自ら開拓していきたい』という、気骨がある弁護士に興味を持っていただけると嬉しいですね」

狛弁護士が事務所名に冠した〝グローカル〞という言葉。グローバルとローカルをかけ合わせた造語だが、これには法律実務に取り組むにあたって、いつも思い起こすべきこと――全体の一部を構成する要素と、ものごとの全体の両方を見ること、つまり〝木を見て森を見ず〞ではなく、〝木を見て森も見る〞という警句の思いも込められているそうだ。技術的なことのみならず、弁護士としての姿勢や視野の広げ方も、狛弁護士の思いをつなぐ弁護士陣から学べる場となろう。

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    弁護士の執務室は広い個室になっている
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    2016年頃。主宰した一般社団法人の職員や、あさひ・狛時代の仲間と
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    今年4月、小野弁護士(弁護士40周年)と山中弁護士(弁護士20周年)を祝う会を、所員全員で開催。事務スタッフ手づくりの装飾が微笑ましく、所内の仲の良さがうかがえる
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