同事務所の仕事の進め方の特徴としては、会社法、労働法、医療法、倒産法、行政法、知財法、競争法、家事法と、8つにチーム分けをしていること。それぞれ、企業取引を巡る事件、労働事件(会社側代理人)、行政事件(地方公共団体側代理人)、医療事件(医療機関側代理人)、知財事件、倒産事件(管財人など)などに関与している。嶋野弁護士に、詳しく伺った。
「顧問先の担当弁護士という立場にある者が顧問先の窓口となりますが、チームに関連する案件の依頼がきた時は、適宜そのチームのメンバーと協力しながら案件を担当します。〝顧問先軸〞と〝専門軸(チーム)〞のバランスのとり方を工夫しながら案件を担当しています。各チームは担当法分野に関する最新情報のキャッチアップや勉強会、情報共有などに力を入れ、常に高度な法的サポートを顧客に提供できる体制を敷いています」
アソシエイトも同様にチームに属して研鑽を積む。アソシエイトは、入所後にすべてのパートナーにつき、あらゆる仕事を経験。3〜5年で専門分野を定め、磨いてもらうというのが事務所の方針だ。有岡一大弁護士(66期)と加古洋輔弁護士(64期)が、仕事のやりがいを教えてくれた。
「顧問先の業種も規模も多様。『こういう案件に関与してみたい』とパートナーに伝えれば、積極的にその分野の案件を振ってもらえる環境です。入所3〜5年目くらいでも、パートナーとタッグを組んで、事件の中心メンバーとして関与できるので、自身の能力向上が図れています」(有岡弁護士)
「私は労働事件に多く関与していますが、ほかにも様々なジャンルの案件を振ってもらっています。行政事件、医療事件、倒産など、新たな経験が積めることにやりがいを感じています」(加古弁護士)
また、顧問先とのつながりを生かした人材交流も盛んだという。嶋野弁護士も、顧問先の東京本社に約3年間出向した経験を持つ。
「出向経験により、顧問先の社風や社内での意思決定の仕組みなどを熟知することができました。私が肌感覚でそれを知っているということもあり、出向後、顧問先の担当者も当事務所に相談しやすくなったようです。より顧問先との関係が深まり、私自身もやりがいをもって仕事ができています」
さらに同事務所では、3〜5年勤務した弁護士本人が希望すれば留学も支援する。
「顧問先の多くが事業をグローバル展開しているので、我々も対応していく必要がある。実際、渉外案件は増加傾向。しかし何よりも、海外に出て日本を見た時にどうか、日本はどんなフィールドで力を発揮できそうかなど、〝外に出てこそ〞見えるものを若手には体験させてあげたい。ですから当事務所では、出向も留学も含めて、〝事務所外での経験〞を推奨しています」(高坂弁護士)