設立から約1年だが、クライアントの数は多く、業種や規模、地域、相談内容は多岐にわたる。それは、それぞれが培ってきた実績、人生経験、人脈によるものだ。4名のシナジーが発揮された案件の例を、関弁護士に尋ねた。
「これは一例ですが、清水弁護士は、あるスポーツ協会の顧問を務めています。我々の世代で、一選手ではなく協会側の仕事をしている弁護士はめったにいないでしょう。東京大学野球部のエースとして六大学リーグで2勝を挙げた経験を持つ浅岡弁護士が、清水弁護士の仕事をサポートしており、その巡り合わせの妙を感じます。また嬉しかったのは、弊所の事務所設立の案内状を見た従前からのお客さまが、それまで相談いただいたことのなかった知的財産の相談をくださるということも増えました。元々いろいろなご相談をお受けしてきた我々4名ですが、この事務所を立ち上げてから、お客さまの幅や層が広がっただけではなく、既存のお客さまの期待にも応えられているということを実感しています」
また、近時、取り扱いが増えているのは、М&Aやデューデリジェンス(DD)関連業務だ。
「法務DDに関しては、各弁護士がこれまで経験した累計数でみるとかなりの数に上りますが、弊所を設立してからも、相当数のご依頼をいただいています。これは、スピード、コスト、クオリティの面でクライアントニーズにミートしているということでしょう。特に、知財に関するDDにも対応できることが大きいのだと思います。これまで、知財は他の事務所に依頼していたクライアントの場合、その分コストがかかってしまっていたわけですが、弊所ならば、ワンストップで提供することができます。こうしたことが、差別化要因につながっているのだと思います」と、溝田弁護士。
63期が立ち上げた事務所としては、想像以上に多様、かつ多数の案件に精力的に挑んでいる。特にDDについては、それぞれが一人で独立し、事務所を運営していたら、決してこなせなかったであろう業務の質と量だ。
「単に〝仲がいい〞というだけではなく、間違った時は指摘し合い、常に切磋琢磨できる。永続的に、『多様な分野の専門家集団であり、クライアントに大きな利益をもたらす存在でありたい』という目標が一致しているからこそ、複雑なパズルのピースがぱちんとはまるように、うまく事務所運営ができているのだと感じます」(清水弁護士・関弁護士)