Vol.82
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所属弁護士は30期・40期台が各1名、50期台が3名、60期台が10名、70期代が6名(2022年5月1日現在)。千葉県出身者が多いが、他県出身者も多数所属する

所属弁護士は30期・40期台が各1名、50期台が3名、60期台が10名、70期代が6名(2022年5月1日現在)。千葉県出身者が多いが、他県出身者も多数所属する

STYLE OF WORK

#164

弁護士法人佐野総合
佐野総合法律事務所

永続性を掲げ、地域社会に根ざした法的支援を展開する千葉県最大規模の事務所

永続性を見据えて陣容拡大・増強

千葉市を主要拠点として、リーガルサービスを提供する佐野総合法律事務所。弁護士20名強を擁する県内最大規模の法律事務所だ。1989年に代表弁護士・所長の佐野善房弁護士が開設して以来、地域に根ざし、社会経済活動の活性化と市民生活の安心を法的な面でサポートしてきた。もう一人の代表弁護士・島田直樹弁護士に事務所拡大の経緯をうかがった。

「私が入所した二十数年前は、自分を含めて所属弁護士3名の小規模事務所でした。しかしながら金融機関の不良債権処理(債権回収)の取り扱いが多く、クライアントも相当数ありました。当時の司法改革も背景に、『これから事務所の永続性をどのように保持していくか』について佐野弁護士と議論を重ねた結果、取り扱い分野の拡大や、クライアントへの継続的なリーガルサービス提供のため、質の高い弁護士の育成と確保が不可欠と考え、60期以降を中心に増員を図ってきた次第です」

現在、銀行などの金融機関、損害保険会社、行政機関、医療機関、社会福祉機関、教育機関、非営利団体などの法律顧問業務・企業法務を中心に、一般民事事件、交通事故、家事事件、労働事件などを取り扱う。各顧問先から紹介された案件、市民生活に目を向けた案件などまで幅広く対応できているのは、採用してきた弁護士が育ってきたからこそ。

「都心の法律事務所と比較すれば、当事務所は専門特化・細分化がしづらく、“総合事務所”の名のとおり、様々な案件を取り扱わねばなりません。しかしその分、所属する弁護士にとっては、多様な案件を経験しながら、自分が面白いと感じる、また得意と思える仕事を見つけていきやすいようです」

実際、同事務所の弁護士はそれぞれが得意分野を有している。島田弁護士は、金融法務や難易度の高い債権回収対応、川崎仁寛弁護士は、労務問題などの一般企業法務と不動産・建築紛争を得意とする。また、同事務所では個人事件の受任、弁護団事件、委員会活動が原則自由で、各自関心を持った分野にまい進できる。金原光俊弁護士であれば、交通事故や労働問題、高齢者が介在する法的問題への対応、村岡旭美弁護士は、一般民事事件や労働事件、山本祐輝弁護士は、国選弁護に注力しつつ、千葉県弁護士会のスポーツPTに所属し、その法律相談も積極的に行う。そのように得意分野も注力分野も異なるが、「依頼者の利益を最優先に」という思いは共通だ。

「拘置所に収監された方が病状悪化のため拘置所内で亡くなり、拘置所を設置・管理する国を相手に、その方の親が損害賠償請求を起こした案件に関与しました。特別公務員暴行陵虐罪でも刑事告訴したほか、一審だけで約5年かかった事件です。一審は敗訴したものの、控訴審では依頼者(親)の理解も得て勝訴的和解となりました。ほかにも様々な裁判を多数経験していますが、私たちは事案をコントロールし、できるだけ訴訟に至らせず解決する方法を探ります。訴訟はそもそもリスクが高いと考えていますし、判決までもっていった場合も、結果がどちらに転ぶかわからないというギリギリの経験も多数してきました。裁判が依頼者にとってゼロサムゲームにならないよう、対話を重ねたうえで“依頼者にとって最適な解決”を常に探っています」(島田弁護士)

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    「パートナーとアソシエイトという役割はあるものの、弁護士としての立場は対等。お互いに意見を出し合い、切磋琢磨し合い、弁護士としての成長を助け合いたいと思います。当事務所はまだまだ、お互いの顔が見える規模感ですし、日常的なコミュニケーションも活発です」(川崎弁護士)
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アソシエイトの成長を全力で支援

アソシエイトは、パートナーごとに組成されたチームに属し、そのもとで仕事を覚えていく。

「パートナーは、全員が得意分野を持ちつつ、事務所としてひととおりの分野をカバーしています。ですからアソシエイトはまず、最初に取り組むべき分野のチームに属します。チームとはいえ緩やかなつながりなので、複数チームに所属することもあります。入所後、少なくとも半年程度はパートナーが一緒に仕事をし、それ以降も折に触れてアソシエイトをサポートする。新人が安心して仕事に臨める環境が整備されていると思います」(金原弁護士)

このサポート体制を構築した理由を川崎弁護士は次のように語る。

「事件の筋は難しくないけれど、当事者対応が難しいという、一見簡単そうで実は難易度が高い案件というのもよくあります。また、事件を進めていくうちに難しさが明らかになるケースも少なくありません。そうした時に、窓口になるアソシエイトが一人で対応するのは苦しい。ゆえにパートナーは、個々を“孤立させない”ことに気を配ります。そのために、仕事上で困った時はもちろん、日頃から気軽に相談できる関係づくり、風通しの良い職場づくりを心がけています」

パートナーとアソシエイトのコミュニケーションやナレッジ共有において、対面の勉強会はもちろん、メーリングリストやチャットツールもフル活用する。そのうえで、島田弁護士をはじめパートナー弁護士が、全アソシエイトの成長度や繁忙状況、興味関心のある分野などに目配りする。

「3~5年かけて事件を一人で担当できればと、思います。独り立ちを急がせることなく、着実に成長してほしい」(島田弁護士)

佐野総合法律事務所
当日は、人事・採用グループの担当弁護士が質問に答えてくれた(左から、島田弁護士、川崎弁護士、金原弁護士、村岡弁護士、山本弁護士)

時代の変化に合った挑戦を止めない

事務所をスムーズに拡大できたポイントは、「営業面を佐野弁護士にお任せして、私は所内の業務効率化・合理化に専念したこと」と、島田弁護士は言う。

「事件管理システムを取り入れ、事務所が取り扱ったすべての事件を検索できるようにし、当該システムに登録した情報を利用して、簡単に書類作成できるような工夫も行っています」

破産申立書の簡易作成システムや、類型を選ぶとひな形が即座に出てくるシステムなど、島田弁護士自らプログラムを書いたものもある。そのうちのいくつかは千葉県弁護士会に提供、他事務所の弁護士も活用しているそうだ。

「そうしたツールを自分でつくることが好きなのです。もちろん、オンライン雑誌や判例の検索システム、AI契約書レビューなどのリーガルテック、リモートアクセス、クラウドPBXなどIT関連ツールも積極的に活用しています。早期のリモートアクセス導入や、こうしたDXツールの活用で、子育て中などフルタイムで出勤することが難しい弁護士も、働きやすいと言ってくれます」(島田弁護士)

島田弁護士に、今後の取り組みについてうかがった。

「民事訴訟のIT化に伴い、当事務所も、特に都心部の事務所と競合していく機会が増えていくと思います。大規模事務所との競争に負けないよう、今後も所属弁護士を増やし、個々の専門化を図っていきます。取り扱い分野の拡大・深化、業務効率の向上、そして何よりも、お客さまからの高い信頼をどのように得ていくかなど、試行錯誤しつつ新たな取り組みを積極的に行っていきたい。時代の潮目を見ながら、挑戦することを恐れず、変化を恐れず、仲間とともに事務所を永続的に発展させていきたいと思います」

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。

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新型コロナ禍以前は、事務所旅行を毎年実施。2019年秋は金沢へ出かけた(左から、事務スタッフ、谷麻衣子弁護士、村岡旭美弁護士)。パートナー、アソシエイト、事務スタッフ間の仲の良さは、こうした仕事以外の場面からもうかがい知れる

Editor's Focus!

千葉本部は、千葉地方裁判所・家庭裁判所まで徒歩3分の近さ。JR千葉駅や京成線千葉中央駅、千葉都市モノレールの各駅からも徒歩圏内。現在の拠点は、千葉本部と船橋駅前オフィスの2カ所である

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