Vol.83
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東京事務所の弁護士数は24名(大阪事務所兼務、客員弁護士含む)。うち、パートナー13名、アソシエイト8名の陣容。なお、2拠点の所属弁護士は総勢約50名

東京事務所の弁護士数は24名(大阪事務所兼務、客員弁護士含む)。うち、パートナー13名、アソシエイト8名の陣容。なお、2拠点の所属弁護士は総勢約50名

STYLE OF WORK

#168

弁護士法人 三宅法律事務所 東京事務所

保険法務・金融関連法務の土台を生かし、最先端の新規法分野にも斬り込んでいく

事務所のコアとなる企業法務をけん引

1938年に大阪で創業した、弁護士法人三宅法律事務所。弁護士法改正施行直後の2002年5月に弁護士法人化を行い、東京事務所を開設。以来、大阪と東京の“両輪体制”で事務所を運営する。

東京事務所も大阪事務所同様、生命保険会社・銀行などの金融法務を中心としつつ、コンプライアンス、リスクマネジメント、株主総会指導など会社法務、労働法務、渉外法務、および訴訟などを取り扱う。なお開設当初は、人事交流の一環で配属された大阪事務所の弁護士と、他事務所から移籍してきた“即戦力”で固められていたが、近年は新卒で東京事務所へ入所したプロパー所員も増えている。東京事務所の特徴を、渡邉雅之弁護士にうかがった。

「創設者の三宅一夫弁護士をはじめ、多くの先輩弁護士が築き上げてきた顧客との信頼関係のもと、銀行、証券・生命保険・損害保険会社などの金融関連法務に特に強い事務所という評価をいただいています。現在も当該分野の深化を進めながら、新規法分野にも積極的に取り組んでいます」

渡邉弁護士は、09年に同事務所に参画。移籍前に所属していた事務所では、金融トランザクションなどを多く取り扱ってきた。

「“三宅といえば金融関連法務”なので、金融規制法、コンプライアンスをさらに極めたいと考え、当事務所に移籍しました。入所後は金融規制法のみならず、個人情報保護法分野、金融関連法務の深掘りしたい分野について、自分なりに研究を進め、顧問先を開拓することができています」

渡邉弁護士と、ほぼ同時期に参画した松本徳生弁護士は、次のように語る。

「私は前事務所でストラクチャードファイナンスやプロジェクトファイナンス、資産流動化といった案件に多数関与しました。08年のリーマンショックの影響で、それらの案件はほぼ停止状態に。“考える時間”ができたことで、もっと違う金融分野――例えば訴訟、金融規制法、コンプライアンスなども手掛けたいと思い、移籍しました」

現在、渡邉弁護士は金融規制法、コンプライアンス、コーポレートガバナンス、マネーロンダリング対策などを、松本弁護士はM&A、金融、民事争訟、企業法務を主に取り扱う。

「興味・関心のある分野・案件に、裁量を持って自由に取り組めるのが当事務所のよさ。私の場合は、新分野が出てくると、論文や記事などを書いてまとめ、インターネット上にアップしたり、ウェビナーを企画・実施するなどして、独自のマーケティング活動を行っています」(渡邉弁護士)

弁護士法人 三宅法律事務所 東京事務所
大阪事務所と同様、弁護士は初年度から、訴訟、法律相談、意見書作成、契約書チェックなどに携わる。1年目から、一人前の弁護士として多くの役割を担う

最先端の法分野に協働して挑む

近年、東京事務所で取り扱いが増えている案件は、データ保護・プライバシー規制の動きを注視したグローバル内部通報対応、中小企業・小規模事業者の事業承継を目的としたM&Aなどだという。後者については、より踏み込んだ対応や情報収集力を高めるため、渡邉弁護士が社会保険労務士、松本弁護士が中小企業診断士の資格を取得。以降、主に弁護士の知識で行っていたデューデリジェンスに比べ、さらに一歩踏み込んだアドバイスを顧客に提供できるようになったという。なお、昨今のM&A案件は、東京のクライアントが大阪や名古屋など都外の企業を買収するケースが多いため、大阪事務所の弁護士とチームアップして機動力を高めている。

一方、アソシエイト弁護士はどのような案件に関与しているのか。有竹雄亮弁護士と、出沼成真弁護士にうかがった。

「私は不祥事対応、危機管理系の案件に比較的多く携わっています。第三者委員会や特別調査委員会に加えていただくことも多々あります。これらのなかには、大阪事務所OBからの紹介案件も。その場合は大阪事務所から依頼され、私が対象企業となる東京のクライアントにヒアリングに行き、大阪チームへ情報共有するといった協働形態を取ります。アソシエイトはパートナー全員と仕事を進めることになっており、東京事務所のパートナーだけではなく、大阪事務所のパートナーと仕事をする機会も多いです。パートナーはそれぞれ得意分野を持つので、全員と仕事をするなかで幅広い分野を学ぶことができています」(有竹弁護士)

「現在、私は東京事務所のパートナーと、主にM&Aや個人情報保護法関連などに携わっています。ちなみに渡邉弁護士とは、金融関係の“マニアックな仕事”をさせていただく機会も多く、刺激的です。例えば、犯罪収益移転防止法における本人確認方法、反社会的勢力情報と個人情報保護法、銀証ファイアウォール規制などの見直しといった、法改正や新しい法分野を捉えた問題点の整理に関与するなど、得がたい経験を非常に多くさせてもらっています」(出沼弁護士)

そのほかにも昨今、渡邉弁護士がリードする案件として、グローバル展開している企業のサプライチェーンにおける人権尊重――いわゆる“ビジネスと人権”に絡む課題対応、文部科学省の委託事業で「教育データの利活用に関するガイドライン」の作成などがある。

「“教育データの利活用”に関するガイドラインの作成は、プロボノ寄りの案件で、私を含めた3名の弁護士が、外資系監査法人と協働で取り組んでいます。これまで経験したことがない仕事にかかわれると思います」(渡邉弁護士)

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「“緩やかなプラクティスグループ”があって、労働や税務など専門分野ごとにグループワークを行っています」(左/パートナー・楠部幸路弁護士)

“個の力”を集め、組織力に変える

 東京事務所で案件を進める際の基本の構成は、パートナー1名に対してアソシエイト2名。組み合わせについては、パートナーが各アソシエイトに「どのような仕事でステップアップしていきたいか」を年1回ヒアリングし、パートナー間でそれを共有したうえで調整している。松本弁護士は、「面談は年1回ですが、一人ひとりの顔が見える規模感なので、彼らの様子に日々細かく目配りしつつ、本人の希望が叶うかたちで柔軟に対応しています」と教えてくれた。

「我々アソシエイトのスタンスは、パートナーの“お手伝い”ではありません。全員、自らが主体者であるという意識で臨んでいる点が、強みであり、特徴です。年次が浅くても、高い意識で臨める環境を用意してくれていることに、感謝しています」(有竹弁護士)

東京事務所の目標について、松本弁護士と、渡邉弁護士にうかがった。

「当事務所には何十年とお付き合いしている顧問先があり、仕事を通じて、お客さまも若手弁護士を育ててくださることが強み。しかしそこに甘えず、新規分野の開拓などに挑戦し、“殻を破っていくこと”も必要。10年20年先を見越して、上手にそのバランスを取っていくことが我々の目標です」(松本弁護士)

「最近、様々な分野で急速な法規制の変化を肌で感じます。特にAIやフィンテックなどの情報・インターネット分野、資源・エネルギー分野などでは、以前なら5年単位で変わっていたものが、今は数カ月単位で変わります。我々は保険法務や金融関連法務などで専門性を発揮できていると自負していますが、個々の弁護士の力だけでは法規制や社会の急激な変化に対応していくことはできません。これからの時代の事務所経営は、個の力を全員で共有し、組織力に昇華させることが重要。これまで以上に、多様かつ様々な情報・変化をキャッチアップしていく必要があると思います」(渡邉弁護士)

※取材に際しては撮影時のみマスクを外していただきました。 

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「パートナーやアソシエイト問わず、何でも相談できるフラットな風土です」と出沼弁護士。業務以外の所内交流も盛ん。写真はフットサルの試合での一枚

Editor's Focus!

「我々のベースは、やはり訴訟。訴訟は様々なリスクファクターを考えるため、あらゆる相談対応に役立つ。訴訟を中心に多くの分野で経験を積み、総合力を高めたうえで専門性を身につけてほしい」と、渡邉弁護士。先進分野に注力しながらも「歴史と伝統ある事務所の根幹は訴訟」という言葉が印象深い

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