Vol.24
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#2

SPECIAL REPORT

#2

日本の“企業法務”のさらなる発展と、法務部員の能力向上を真摯に目指す、会員企業数1000社を超える組織

経営法友会 事務局

1971年、〝企業法務実務担当者の情報交換の場〞として発足した「経営法友会」。同会は、法人単位の会員組織として企業内の法務担当者によって組織され、現在の会員数は1000社を超える。会員各社の法務部員のスキルアップと、法務部門がさらに企業経営に貢献できるための羅針盤となることを目的とし、月例会(セミナー)、研修、高度な企業法務に関する研究活動、法制度立案などへの積極的な関与も行う。そんな同会代表幹事の杉山忠昭氏に、その成り立ちから現在までの歩み、そして活動の詳細を聞いた。【編集長対談】聞き手/近藤和志(本誌編集長)

5つの事業(部会)に分かれて企業の法務部門のニーズに応える

近藤:まず、経営法友会発足の経緯、背景からお教えください。

杉山:経営法友会は、今年発足40周年を迎えました。発足当時は企業法務に関する社会的認知度は低く、また、「法務部」もなく、〝総務部の中の文書課〞レベルの組織が大半でした。そういった状況のなか、商社や素材メーカーなど、国内外の業務で、様々な法律問題に直面する企業の実務担当者が集って自己研鑽し、企業の中で「法務」の認知度を上げ、業務の精度を高めるなど、法務担当者の能力を向上させるインフラをつくる目的で、1971年4月、当会が産声を上げました。

近藤:会員企業数約50社から始まり、現在では1000社を超えています。参加企業の特徴や傾向などはありますか。

杉山:設立当初は、大企業が中心だったと聞いていますが、最近の入会企業は、中堅規模の割合が増えています。中にはいわゆる〝一人法務部〞の会員もいます。現在、上場企業は668社、非上場企業は364社です。

近藤:では、具体的な活動をご紹介ください。

杉山:多様な会員ニーズに的確に応えるべく、幹事会の統括のもと、「総務」「月例」「研究」「研修」「大阪」の5部会に分かれて事業を運営しています。

「月例部会」では、主に法改正、最新実務情報を取り上げ、立案担当官や実務家に解説いただく月例会を開催しています(平成22年度開催数/東京29回・大阪21回)。

「研究部会」では、各社が抱える業務課題を取り上げ、その具体的な解決策を深堀りして検討、研究。その成果をガイドブックなどの成果物にまとめる一方、法改正に関するパブリックコメントへの対応として、実務界意見としての発表も行っています。

「研修部会」では、各社の法務部員の能力底上げのための研修コースを企画・運営。国内基礎、国際基礎、国内養成の各コース(各7回〜10回)と「債権回収」「独占禁止法」などの各種科目別講座があります。経験豊富な企業の法務担当者や弁護士が講師となり、単なる法律解釈ではなく実務に則した講義内容にしています。

また、各コースでは、法務担当者間のネットワークづくりの機会として、名刺交換会や懇親会を行い、各社法務部員の横のつながりをつくるきっかけにもなっています。会社によっては、この研修を自社の研修計画に組み込んでいるケースもあると聞いています。

月例会、研修会などの事業は、大阪部会において独自性を出しつつ、東京と均質の会員サービスを提供しています。

近藤:それぞれ、どれぐらいの人数が参加するのですか?

杉山:昨年度の月例会は、1回当たり平均で東京が234人、大阪で60人が参加しています。

研修には昨年、「法務担当者養成コース」に東京で200人、大阪56名、「国際基礎コース」に東京159人、大阪54名、「国内基礎コース」には東京217人、大阪74名が参加しました。また、科目別講座は人数限定ですが、参加が常に抽選になるほどです。各社の人材育成へのニーズに対応していると感じています。

近藤:事業活動の内容や運営方法はどのように決めるのですか。

杉山:会員企業34社の責任者クラスが参加する幹事会を月1回開いて、全体の運営方針を決めます。また、各部会ごとに幹事のほか運営委員がおり、部会ごとの具体的な事業を立案します。

近藤:会員各社からの反響や、運営の手応えはいかがですか。

杉山:昨年暮れに、全会員に対して「会員満足度アンケート」を実施しました。結果、392社から回答がありましたが、おおむね好評です。一方で、ネガティブなコメントに注目し、各部会においてさらに満足度を高めるために改善の検討をいただいています。

経営法友会
9月に開催された月例会の会場「サンケイホール」には、約300名の会員が集まった。国際弁護士として活躍している桝田淳二氏が、実際に経験した米国における紛争・訴訟の実態や、日本企業がリスクに対応する際の留意点などを解説した

他社の取り組み事例など質の高い情報を提供

近藤:具体的には、どういった課題があるのでしょうか?

杉山:会員が1000社を超えると、当然ニーズは多様化します。例えば、上場会社と非上場会社、持株会社と傘下の事業会社、外資系企業など、各社学びたい法律問題は異なります。さらに細かい指摘ですが、月例会、研修会などの開催場所も、東京、大阪が中心となっており、地方会員にとっては不満です。

そうした要望に対しては、優先順位を付け対応します。具体的には、名古屋地区向けに会員懇談会(幹事会社を司会とし、10名程度の地区会員会社との意見・情報交換の会)を行ったり、月例会の模様を会員向けホームページで動画配信・資料掲示するなどして対応しています。参加会員の満足度を高めることが、最大の課題であると認識して取り組んでいます。

近藤:長い歴史と規模の大きさからくる期待やメリットにはどのようなものがありますか。

杉山:実に多様な業種の企業が集っていますから、法制度を検討する行政側から参考意見を求められることが昨今は多くなっています。規模が大きいからこその発言力、影響力とともに責任もあると思います。

最大のメリットは、会員が様々な事業に積極的に参加することにより、質の高い情報が得られること。他社の手法をベンチマークして社内で共有することで、参加者個人だけでなく、各会社法務部の組織力は間違いなく向上すると思います。

近藤:最後に、読者へのメッセージをお願いします。

杉山:我が国の企業法務業務の精度、効率などのボトムアップを続けていくために、今以上に会員数を増やし、さらに当会の存在意義と発言力を高めていきたいと考えています。この誌面で経営法友会の存在を知り、少しでも興味を持たれた方は、ぜひ事務局までご連絡ください。

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    経営法友会のホームページ。会員専用画面では、月例会やイベントなどの情報が掲示されている。FAQを設け、会員間で実務課題を解決するツールを共有している。「企業法務」に関する情報のデータベース化を目指している
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    企業法務に関わる課題を整理し、必要なテーマを選定のうえ、会員各社からメンバーを募った研究会を組織。研究会の成果については随時、刊行物等にして公表している