法務最前線:2018年5月号 Vol.63

法務最前線

アトーニーズマガジン 法務最前線

経営そのものに深くかかわる企業法務部。現場からの相談に瞬時にかつ的確に判断することが求められる組織に必要なファクターとは、その精鋭が弁護士に期待することとは何か?各社の法務部長へ伺いました。

競争激化の小売業界で勝ち上がるために。
期待されるリーガルプロフェッショナルの活躍

法務最前線

ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社 CSR・管理本部 法務部

社内弁護士の仕事の醍醐味

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(UFHD)は、総合小売(GMS)のユニー(株)、コンビニエンスストア(CVS)の(株)ファミリーマートを中心に、各事業会社の持株会社として2016年に誕生。その前後( 15年〜17年)で、CVSブランドの統合、GMSとCVSとの経営統合や新規事業への参入などがめまぐるしく行われた。この時、活躍したのが、蜂須明日香氏、橋洋介氏、小峰雄介氏のインハウスローヤー。蜂須弁護士に、携わってきた業務を伺った。
「15年からユニーグループ・ホールディングス(UGHD)との統合案件事務局(経営企画、営業、経理財務、法務から1〜2名ずつで構成)に参画しました。デューデリジェンス、独占禁止法、吸収合併・分割実務、知的財産権、株主総会、HD化にあたっての社内規程整備などに対応。法律事務所所属ではできない、インハウスならではの業務を経験しました」

 UGHDとの統合に先駆け、小峰弁護士は、全国で約650店舗を展開していたココストアの子会社化、およびその後の吸収合併・分割に携わった。
「本件はスキームが複雑だったうえ、通常の契約法務や法律相談などの業務と兼任だったので、圧倒的な量と質の業務にスピード感をもって対応しなければならず、正直大変でした。しかし事業会社の法務ならでは、幅広い法律知識と経験を身につけられるのが利点。また、全国紙の一面に掲載されるような事案に深く関与できたこともうれしかったです。そのような希少な案件を担当できて、弁護士として飛躍するチャンスを多々もらっていると感じます」

 そして、続々立ち上がる新規事業プロジェクトの法務支援を担当しているのが、橋弁護士だ。
「当社では、CVS店舗にフィットネスジムやコインランドリーを併設する事業を開始しました。そうした新規プロジェクトでは、検討・解決しなければならない法的論点が多数出てきます。試行錯誤しながら、外部の弁護士とともにゼロから臨むことに、大きなやりがいを感じています。今後もCVSと異業種とのコラボは増えていくのではと感じています。契約スキームの提案など、法的観点から主管部署をサポートしていきたいと思います」

法律のプロの力で事業を加速・拡大化

 法務部長の森田英次氏は、「この3人がいなければ、買収案件や経営統合、新規事業はこなせなかった」と振り返る。
「小売業界は〝戦国時代〞まっただ中で、当社はリアル店舗を主軸に、勝ち上がるための施策を次々打ち出しています。今後は戦略法務の比重が大きくなることが予想でき、新規事業への参入もあるので、外部の法律事務所との連携強化が求められるとともに、インハウスローヤーへの期待は一層高まっています」

 3月の組織再編では、コンプライアンスグループが法務部に置かれることとなった。法務部付部長の足立弘樹氏は「これからはリーガルリスク管理とビジネス推進支援の両輪で、バランスよく法務機能を担っていくことになる」と語る。メンバーにとって未知の領域への挑戦も増えていくだろう。森田氏に、メンバーへの期待を伺った。
「当部では、経営企画や経理財務など他部署との連携が多く、業務を通じて法務周辺知識が習得できます。特に経営企画との仕事は、経営戦略・方針について深く理解するまたとない機会。そうした経験を積み重ねながら、インハウスローヤーも含めて、〝マネジメントする側・経営を見る側に立とう〞という意欲あるメンバーを育て、社業の成長に貢献していきたいと思います」

■企業概要

  • ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社
  • 資本金 166億5800万円
  • 代表者 代表取締役社長 髙柳浩二
  • 従業員数 1万6601名( 連結:2017年2月末)
  • 所在地 〒170-6017 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 17階
  • URL http://www.fu-hd.com/