Vol.26
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「紙とメールだけで仕事するな」が合言葉。「会って話を聞け、テレビ会議を使え、電話もある」とは権藤室長の弁。中央にある新しいCIマークは、26年振りに刷新されたもの。
後列右から3番目が榎弘一法務審議役。

「紙とメールだけで仕事するな」が合言葉。「会って話を聞け、テレビ会議を使え、電話もある」とは権藤室長の弁。中央にある新しいCIマークは、26年振りに刷新されたもの。
後列右から3番目が榎弘一法務審議役。

THE LEGAL DEPARTMENT

#24

住友生命保険相互会社 法務室

「現場に近く、現場の役に立つ」をモットーに、「感動品質」で頼れる社内の「かかりつけ」を目指す

「距離」を縮めるため、担当部門別に

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コンプライアンス統括部に属する同社法務室の特徴は、機能別よりも担当部門別を強く意識したグループ運営にある。

「販売部門、保険事務関連、それに資産運用などを中心とした3つのグループがあります。それぞれが各部門から法律相談を受け、所管する訴訟などにも対応する。言ってみれば、担当する部門の〝かかりつけ〞のようなイメージですね」と、権藤幹晶法務室長は説明する。

「目的を一言で言えば、現場や各部門との距離をより近くすること。常に担当部門がどんな問題意識を持っているか、今、目の前で話をしている相手はどんな考えを持っているのかをよく知ったうえで、密接なコミュニケーションを取ることが必要だと感じたのです」

同部の部長からも現場の役に立つという意識を強く持つよう指示されているそうだ。このグループ運営により、一案件に複数の人が関わることになる。

「様々な視点から議論を重ねることで、検討を深めていくことが可能になります。当社では、『一歩先行く〝感動品質〞のお客さま対応』の実現に取り組んでいます。だからこそ、法務室も『感動品質』の法務サービスを提供していきたいのです」

そのうえであるべき姿は、問題が起きてから相談されるのではなく、案件の初期段階から「ちょっと意見を聞いてみよう」と頼りにされる存在ということ。

「そのためにも、担当部門から見ても〝顔がわかる法務室〞でなくてはいけない。積極的な情報発信にも注力しています」

「臨床法務」にとどまらない相談も

法務室の主業務は、個別事案の相談、契約書の確認、販売用の資料のチェック、知的財産権、訴訟やADRへの対応などだが、そういった「臨床法務」とは異なる、制度設計時点での相談が寄せられることも少なくない。

「例えば、昨年の東日本大震災への対応が挙げられます。現場から、より簡易な手段で保険金をお支払いすることができないか、保険料の払込を猶予する特別措置を実施する場合どのような点に留意する必要があるか、といった相談を受けました」

顧客視点に立った法的妥当性と事業としてのバランスをどうやって図るのか、非常に考えさせられるケースだったという。

すでに中国進出を果たしている同社だが、アジアを中心とした海外展開は将来を見据えた重点戦略の一つである。

「海外の案件では、現地法制に詳しい弁護士と連携してドキュメントをチェックするなど、複雑で高度な対応が必要になります。そういった『攻めの案件』に関わる機会が増えていくことを、個人的にも期待しています」

社内弁護士の活躍の幅は広い

住友生命保険相互会社 法務室
若いが頼りがいのあるメンバーたち。笑いが絶えず堅苦しいイメージはどこにもない。メンバーのコミュニケーションのよさが見て取れる

今、権藤室長を含め12名いる法務スタッフのうち、4名が弁護士資格を持つ。特にここ3年は、総合職として毎年1人ずつ新卒の弁護士を採用している。

「会社によって考えは様々だと思いますが、私自身は弁護士資格を持つ人が法務にいる意義、効果は大きいと認識しています。この仕事は、外部の弁護士の協力・連携がなければ成り立ちません。例えば顧問弁護士に相談に行く場合、論点が整理され、聞くべきことが明確になる。加えて法務室のスキルアップにも大きく貢献してくれるはずです」

そして、社内弁護士は、グループの垣根を越えた相談相手になっているそうだ。

「今いる社内弁護士は全員優秀で真面目。意見も積極的に言ってくれ、私にとっても頼れる人材です。特に、室長権限を一部代行する榎弘一法務審議役は、入社後に資格を取得したので、会社を熟知しています。新卒弁護士のよき相談役です」

そして、「社内弁護士は法務室だけのものではない」と権藤氏は言う。

「民間企業に入ったのですから、他部門も経験して成長してほしい。彼らのスキルが生かせるのは法務室だけではありません。どの部門で働いたとしても、きっと活躍してくれるはずです」

最後に法務室に求められる人材について聞いてみた。

「好奇心、探究心にふたをしない人がいいですね。『こうなっているから』で済ませるのと、『なぜこうなっているのか』と突き詰めていくのでは、結果は同じだとしても、その人の中に蓄積されるものが違ってくる。もう一つは、コミュニケーション能力。例えば質問の意図を正確にくみ取り、第三者にわかりやすくポイントを伝える力です。相談に来た人に、納得、共感してもらうのが、我々法務の仕事ですから」