Vol.27
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平均年齢32.3歳という若い布陣を率いる渡辺雅人氏は、「法務グループならではの長いスパンで考えて人材教育をしています」という

平均年齢32.3歳という若い布陣を率いる渡辺雅人氏は、「法務グループならではの長いスパンで考えて人材教育をしています」という

THE LEGAL DEPARTMENT

#27

アビームコンサルティング株式会社 法務グループ

法的リスクの軽減とスピード感を両立させ、高度化するコンサルティング業務をサポート

業務改革支援を15名で支える

「総合コンサルティングファーム」と聞いても、その事業を瞬時にイメージするのは難しい。法務グループ統括部長の渡辺雅人氏は、「様々な悩みを抱えるクライアントの業務をいかに効率化し、より収益を上げられる体質にしていくか、そのソリューションを提供する。大きな柱になっているのが、経営資源最適化のためのソフト『SAP』導入による業務改革支援。戦略提示で終わるコンサルティング会社も多いですが、当社はシステム構築から保守・運用まで、すべてやります」と説明する。

当然のことながら、企業の「悩み」は様々、業種自体も多種多様である。同社の法務グループもそうした「コンサルならでは」の業容への対応が求められることになる。

現在、同グループの陣容は総勢15名。契約締結実務や法務相談などを行う法務部に9名、クライアントの与信審査などを担当する審査部と、情報セキュリティ、輸出管理などにかかわるリスクコンプライアンス部に計6名在籍。

「事業が、『製造・流通』『金融』『社会基盤・サービス』という3つの大きなインダストリーで構成されているため、法務もある程度それに対応した担当分けを行いつつ、折を見てローテーションさせています」

アビームコンサルティング株式会社 法務グループ
マネージャーの小林勇佑氏(右)は、熊本大学法学部法律学科を卒業後、東芝ライテック株式会社を経て現職

"WinWin"を実現するために

企業経営の問題点を探り出し、改革のためのITシステムを開発する。言うは易しで、かなりリスクの高い仕事なのだという。

「システム開発契約の契約形態は、一般的には請負契約となります。請負契約は、本来はある程度きちんとした方向性(設計図)があって、そのとおりにできたかを問われることになる。しかし、当社は構想段階からクライアントとともにプロジェクトを進めることもあり、問題点を突き詰めていったら、満足のいくソリューションを提供できないことがわかった、というケースもあり得る。だから、そうしたリスクをある程度織り込んだ契約を結ぶ必要があるのです」

しかし、すべてが「理解のある顧客」ばかりとは限らない。

「問題が起こりそうになったらすぐに飛んでいって、誠心誠意交渉することを心がけています。何も自分たちに有利な契約を結ぼうというのではありません。”WinWin”のビジネスを実現するためにも、リスクをきちんと理解してもらわなければならないのです」

とはいえ、ブレーキをかけるのが法務の仕事だとは考えていない。「何よりもスピード感が大事」だと、渡辺氏は強調する。「コンサルタントは仕事を取ったら速やかに契約して、すぐに仕事に移りたいもの。そのニーズに応えられなければ、まず自社のメンバーから信頼を得ることができません」

法的リスクの軽減とスピード感を両立させるために、メンバーには「そのプロジェクトでコンサルタントが何をやりたいのか正確につかむこと、そしてリスクがあるからNGではなく、常に代替案を考えておくこと」この2つを徹底して伝えているそうだ。

ビジネスを動かす実感が魅力

アビームコンサルティング株式会社 法務グループ
SAP AWARD OF EXCELLENCEにおいて11年連続国内最多受賞

企業間のグローバルな競争が激しさを増し、同社に対する要望もいっそう多様化、高度化している。小林勇佑法務部マネージャーは、「どんどん新しい仕事が舞い込む中で、『こんな仕事をやろうと思っているけれど、できるだろうか』といった検討の場に法務が呼ばれアドバイスを求められることが、最近特に多くなりました」と話す。そんな時、組織として的確な対応ができるか否かは、ひとえに人材の力にかかっている。

渡辺氏は、「欲しいのは、法律の知識を備えたうえで、ビジネスの観点からバランスよく物事を考え、ビジネスという生き物を殺さないで問題を解決できる人。チームとして仕事ができるコミュニケーション能力も不可欠ですね」と話す。即戦力として、企業の法務関係者の中途採用を原則にしているが、ロースクール卒業生も1人在籍している。最後に、ここで働く魅力について語ってもらった。

「現場と一体になってプロジェクトを完遂させていくという達成感ですね。必要不可欠なメンバーの一人としてビジネスに主体的に参加できる楽しさは、何ものにも代えがたいものがあります。コンサルティング業ということもあって、ほかの日系企業に比べると会社全体の意思決定が早く、自分たちの考えが速やかに現場に反映されてかたちになっていく。そこにも大きなやりがいを感じています」

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