同社法務部は、主に取引法務を担当する第1課から第3課と、コンプライアンスを担うコンプライアンス統括課の4課体制で、総勢約40名の陣容だ。顔ぶれもグローバル企業らしく、英国、ロシア、オーストラリア、中国の弁護士が1名ずつ、米国人弁護士2名が在籍。またニューヨーク、ロンドン、シンガポール、ドバイには、それぞれ同部出身の駐在員を派遣している。
「プロジェクトの早い段階から参画し、契約書作成や交渉支援、案件の遂行に付随して起こる様々な問題への対応、さらには不幸にして紛争が発生した場合にはそれへの対処と、事業が円滑に進められるよう、フォローアップしています」
では、「総合商社にふさわしい法務」とは、どんな存在か?
「案件ごとに商品特性や取引形態、与信リスク、さらにはカントリーリスク等、複合的な要素が絡みあうのが、商社の仕事です。極論すれば一つひとつのプロジェクトがオーダーメード。それらを十分認識したうえで、的確に現場を支援していくことが求められるわけですね。ここが総合商社における法務の難しさでもあり、逆にこれこそが商社法務パーソンとしてのやりがいや醍醐味を感じられる部分でもあります」